2019年12月

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オクジャ/okja

アメリカ/韓国 2017監督 ポン・ジュノ脚本 ポン・ジュノ、ジョン・ロンソン 食肉用に開発された新種のスーパーピッグを巡る、畜産農家の少女と企業のいざこざを描いたブラックなコメディ。 いや、ポン・ジュノ、すごいところに手をつっこんできたな、と。 これ、ありえない話じゃないですもんね。 天候不順や人口増加がまねく食糧危機は以前から指摘されてますから。 それをクリアするために、もっと簡易にコストをか […]

Diner ダイナー

日本 2019監督 蜷川実花原作 平山夢明 殺し屋専門の会員制ダイナー(レストラン)に売り飛ばされた女と、店主であるコックを描いた裏社会ドラマ。 さて私は、原作を数年前に読んでて、平山夢明がこんな小説を書くのか!と唸らされたクチだったりするんですが、いやー蜷川実花、ほんと好き勝手滅茶苦茶にしてくれやがりましたね。 原作ファンは多分怒ってると思う。 なんで安っぽい少年漫画みたいになってるんだよ!って […]

無双の鉄拳

韓国 2018監督、脚本 キム・ミンホ 96時間(2008)の「もし誘拐されたのが美人妻だったら・・」ヴァージョン。 主人公はマ・ドンソク演じるドンチョル。 この男、かつては「一度キレたら誰にも止められない」「雄牛」と恐れられた武闘派。 妻のおかげで真面目に魚市場で働くまでに更生したんですが、そんな彼の制御弁かつストッパーたる奥様を、こともあろうか犯罪者集団は拉致っちゃうんですな。 いうまでもなく […]

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

アメリカ 2019監督 マイケル・ドハティ脚本 マイケル・ドハティ、ザック・シールズ GODZILLA ゴジラ(2014)の続編にして、キングコング 髑髏島の巨神(2017)に続くモンスターバース・シリーズ第三弾らしいんですが、いやー、ひどい。 ほんとひどい。 もう、つっこむ気すらおきないですね。 あたかも、国内において粗製乱造された昭和のゴジラシリーズ(1960年代~70年代)を見ているかのよう […]

  • 2019.12.29

ドラゴンヘッド

1994年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全10巻 ド級のパニックSF、終末SFながら、全く何も明かされぬまま、あたかも打ち切りを宣告されてしまったかのように終わってしまった悪名高きシリーズ。 当時リアルタイムで読んでいた愛読者は「なんじゃこりゃ」と怒り心頭、ほとんどの人はあきれかえって最終巻を即座に足下へと叩きつけたことと思われます。 私の場合、何か読み落としているのでは?と浅い巻まで遡って […]

  • 2019.12.28

鮫肌男と桃尻女

1993年初出 望月峯太郎ミスターマガジンDX 全1巻 ありゃっ、こういう方向へ行ってしまうの?と少なからず戸惑った作品。 作者はきっとSF/ホラーの方向へ進んでいくに違いない、と勝手に思ってたんで、至極映画的なクライムアクションに舵を切ったのは意外でしたね。 絵柄があんまりマッチしてないのでは・・と思ったりもしたんですが、後に映画化されたことを鑑みるなら、これはこれで読者に受け入れられてたのかも […]

  • 2019.12.28

お茶の間

1991年初出 望月峯太郎講談社ミスターマガジンKC 全3巻 今はなきミスターマガジンに連載されたバタアシ金魚(1985~)の続編。 ヒット作の続編、って人気凋落気味の漫画家が手を染める定番のパターンだと思うんですが、そんなに望月峯太郎、追い詰められてたか?というのが当時の印象。 バイクメ~ン(1989~)は確かにぱっとしなかったですが、それだけで過去の栄光にすがらなきゃならないほど凡庸な描き手じ […]

ハウス・ジャック・ビルト

デンマーク/フランス/スウェーデン 2018監督、脚本 ラース・フォン・トリアー 思ってた以上に球筋の素直なシリアルキラーものでしたね。 いや、なんせトリアーだから。 露悪的かつ鬱屈とした嫌らしさで、ものすごく後味の悪いオチへとリードするんだろうなあ、いやだなあ、と思ってたんですが、そうでもなかった。 雑に類別するなら、これまでに発表されたあまたの殺人鬼ものとそれほど大きな差異はない。 殺人鬼であ […]

魂のゆくえ

アメリカ 2017監督、脚本 ポール・シュレイダー この映画を見るにあたって「今、アメリカの古い教会がどのような状況にさらされているか?」を、まず知っておかないと、おそらく監督の伝えたかったことは半分も理解できないことであろう、と思われます。 そりゃ誰のことを言ってんだ?って、私のことなんすけどね。 いや、面目ない。 なんかもう、うじうじと煮えきらねえ牧師が自家中毒気味に自分を追い詰めて、ああ面倒 […]

ホテル・アルテミス

アメリカ 2018監督、脚本 ドリュー・ピアース まず、恐ろしく老けたジョディ・フォスターにびっくりさせられます。 いつの間にこんなおばあちゃんに!と腰抜かしたんですが、さすがに57歳でここまで皺くちゃってのもありえないと思うんで、多分これは老け顔メークなんだろうと。 多分ね。 だって52歳のニコール・キッドマンがアレですしね、アクアマン(2018)でヒロインを食わんばかりの若々しさを弾けさせてる […]

  • 2019.12.23

座敷女

1993年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC リング(1998)以降のJホラーブームをあたかも先取りしたかのような傑作ホラーだと思いますね。 まだストーカーという言葉すら一般的でなかった頃に、こういうものを形にしてしまう先見性がとんでもない。 私の場合、世代的に怖い女といえば貞子ではなく、コチラ。 映画も含めて多くのホラーが提供する恐怖の対象といえば、座敷女以前はそのほとんどが男性であり、居てもせ […]

  • 2019.12.22

バイクメ~ン

1989年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全4巻 作者の趣味が全面に出た作品。 テーマになってるのは1950年代のロックンロールとその文化ですけど、軽佻浮薄な80年代にエルヴィスとかリーゼントとか言われてもなかなか振り返ってくれる読者は居なかったんじゃないか?という気がしますね。 なんせ掲載誌はヤンマガ、読んでるのは若い人がほとんどだったでしょうし。 私も含め、当時はみんなが「なにか新しいもの […]

  • 2019.12.22

バタアシ金魚

1985年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全6巻 なんとも線が独特だなあ、とは思いましたね。 私は絵に詳しくないんで、どういう勉強をしてなんの影響をうければこういう作画になるのか、わからないんですけど、当時、こんな絵を描いてる人は居なかったことだけは確か。 漫画界のニューウェーブなんて呼ばれてたりもしましたが、わからなくはない。 妙な硬さがあるのに、流暢にも思えるのが個性的。 それは物語作りに […]

A GHOST STORY

アメリカ 2017監督、脚本 デヴィッド・ロウリー 旦那が死んで、幽霊となり、妻の周りにまとわりつくお話、となるとゴースト/ニューヨークの幻(1990)が思い出されたりもするわけですが、こちらは胡散臭い霊媒師が現れて二人でダンスを踊ったりなんぞはしません。 ファンタジックな要素やホラー色はほぼ皆無。 旦那の幽霊はただもう淡々と妻の側に居る。 びっくりくりするぐらいなにもできないまま、ただ居る。 で […]

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

アメリカ 2019監督 ジョン・ワッツ脚本 クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ なんせアベンジャーズ/エンドゲーム(2019)の次に来るMCU作品ですんで、いったいあの大活劇のあとの混乱、癒やされぬ心理的ダメージをどう収拾つけていくつもりなのか、私は少なからず注目していたんですが、うーん、期待に答えてくれるほどのものはなかった、というのが正直なところですかね。 オープニングの数分でこれまでの流れ […]

  • 2019.12.17

外れたみんなの頭のネジ

2016年初版 洋介犬泰文堂アース・スターコミックス 1巻(以下続刊) ある日突然、周りの人間が全員おかしくなってることに気づいた女子中学生ミサキの恐怖な日常を描いたホラー。 この作品の最大の難点は、非現実を立脚せしめる足場が組まれてないことに尽きるでしょうね。 客観的視点が存在しないんです。 1対全部などという構造にしちゃったものだから、数の論理でいけばおかしいのは主人公であるミサキ、という逆説 […]

誰もがそれを知っている

スペイン/フランス/イタリア 2018監督、脚本 アスガー・ファルハディ 妹の結婚式の最中に起こった誘拐事件を描くサスペンス。 誘拐されたのは姉ラウラの娘、イレーネ。 パーティーの最中に忽然と姿を消すんですね。 その後はお決まりのパターン。 脅迫メールが届いて右往左往、警察に知らせるべきだー、いや駄目だー。 事件はラウラの過去、親族の古びた怨恨をも掘り返して、膠着したままじりじりと、進展の気配すら […]

  • 2019.12.16

百人の半蔵

2014年初出 横尾公敏秋田書店少年チャンピオンコミックス 1巻(全4巻) 中二魂がそのまま炸裂したかのような時代劇漫画。 もープロットからして滅茶苦茶です。 百人の服部半蔵が日本を分割統治してる戦国時代に、果心居士の呪法で強さを身につけた剣士が大暴れする話ですから。 ちなみに地下幕府の将軍は柳生十兵衛だ。 北斗の拳(1983~)というか、男一匹ガキ大将(1968~)というか。 一応、復讐劇ですん […]

殺し屋

アメリカ 2018監督 マイケル・ケイトン=ジョーンズ脚本 ジェイ・ザレツキー 老いた殺し屋の、老いらくの恋を描いた作品。 はっきり言って、既視感満載の意外性ゼロなシナリオ進行が「またか・・」と脱力を招く内容ではあるんですが、なんとなく最後まで見れてしまうのはロン・パールマンが主演を努めているという珍しさからか。 キャスティングの難しい役者だと思うんですよ、パールマンって。 私のイメージでは未だロ […]

  • 2019.12.13

我らコンタクティ

2017年初出 森田るい講談社アフタヌーンKC 個人で民間ロケット打ち上げに執念を燃やす主人公かずきと、いつの間にやら巻き添えになるOLカナエの危なっかしい挑戦を描いた宇宙ロマン。 ああ、これはあさりよしとおのなつのロケット(1999~)だ、と思いましたね。 国家がやらねえなら俺達が自分の手でやる、と誓った少年の心を忘れぬ男たちの無謀な挑戦が、現実にインターステラテクノロジズ(株)の立ち上げによっ […]

  • 2019.12.12

人馬

2016年初出 墨佳遼イーストプレス 1巻(全4巻) 簡単に言ってしまうなら、ケンタウロスがもし戦国時代にいたら・・を描いたファンタジー。 物語では「古来より神獣として崇められてきた存在であったが、戦乱が彼らを戦いの装具に貶めた」と設定されてますが、それにしてもなぜケンタウロスなのか?ってのが私にはよくわかんないですね。 テーマになってるのは異種族間における無理解と衝突なんです。 これ、別に半人半 […]

  • 2019.12.12

メイドインアビス

2013年初版 つくしあきひと竹書房バンブーコミックス 1巻(以下続刊) 孤島に発見された、深さのしれない巨大な竪穴の最深部を目指す子どもたちを描いた冒険ファンタジー。 どうやら架空の世界を舞台としたお話、という設定のようです。 竪穴にとりつかれた人たちを描写することで物語は進んでいくんですが、なんとなくふわふわしてるなあ、というのが最初の感想。 絵本っぽい、というか童話風というか。 それなりのも […]

わらの犬

アメリカ 1971監督 サム・ペキンパー原作 ゴードン・M・ウィリアムス イギリスの片田舎に越してきた学者夫婦を見舞う、予期せぬ惨劇を描いたバイオレンス。 なんといってもこの作品、見どころはラスト数十分に尽きる、と言っていいでしょう。 描写されているのは小心者で争いを嫌う夫が、身の危機を感じ、別人格が乗り移ったかのように豹変するシークエンス。 今更あえて書き連ねるまでもなく主演のダスティン・ホフマ […]

  • 2019.12.10

レイリ

2016年初出 室井大資/岩明均秋田書店チャンピオンコミックスEXTRA 1~2巻(全6巻) 家族を無残にも惨殺された過去を持つ、死にたがりの少女レイリの数奇な人生を描いた戦国絵巻。 ま、なんせ原作が岩明均ですんで。 そこは信頼してもいいと思うんです。 今の岩明均なら、生ぬるい時代劇モドキでお茶を濁すようなことはまずしないだろう、と。 きっと骨太に物語は展開していくはず。 なのに、だ。 なぜか2巻 […]