オススメの一作!

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  • 2019.12.23

座敷女

1993年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC リング(1998)以降のJホラーブームをあたかも先取りしたかのような傑作ホラーだと思いますね。 まだストーカーという言葉すら一般的でなかった頃に、こういうものを形にしてしまう先見性がとんでもない。 私の場合、世代的に怖い女といえば貞子ではなく、コチラ。 映画も含めて多くのホラーが提供する恐怖の対象といえば、座敷女以前はそのほとんどが男性であり、居てもせ […]

  • 2019.12.22

バタアシ金魚

1985年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全6巻 なんとも線が独特だなあ、とは思いましたね。 私は絵に詳しくないんで、どういう勉強をしてなんの影響をうければこういう作画になるのか、わからないんですけど、当時、こんな絵を描いてる人は居なかったことだけは確か。 漫画界のニューウェーブなんて呼ばれてたりもしましたが、わからなくはない。 妙な硬さがあるのに、流暢にも思えるのが個性的。 それは物語作りに […]

  • 2019.12.13

我らコンタクティ

2017年初出 森田るい講談社アフタヌーンKC 個人で民間ロケット打ち上げに執念を燃やす主人公かずきと、いつの間にやら巻き添えになるOLカナエの危なっかしい挑戦を描いた宇宙ロマン。 ああ、これはあさりよしとおのなつのロケット(1999~)だ、と思いましたね。 国家がやらねえなら俺達が自分の手でやる、と誓った少年の心を忘れぬ男たちの無謀な挑戦が、現実にインターステラテクノロジズ(株)の立ち上げによっ […]

  • 2019.11.29

フランケンふらん

2006年初出 木々津克久秋田書店チャンピオンRED 全8巻 この作品をどう説明すればいいのか、いささか悩む部分もあるんですが、あえて簡単にまとめちゃうなら「もし人造人間が現代の医学水準を超えた技術をもつ天才外科医だったら」を描いた、スプラッター風味のSFホラー、といったところですかね。 うーん、文章で説明すると「なんだそれ?」って感じだなあ。 ま、ともかく続きを書きますね。 で、主人公の人造人間 […]

  • 2019.09.18

銃夢

1991年初出 木城ゆきと集英社ビジネスジャンプコミックス 全9巻 はるか未来の地球、屑鉄の山から偶然発見された少女型サイボーグ、ガリィの失われた過去と階級社会化した世界の秘密に迫るSFアクション。 連載開始当初はそれほど注目してなかった、というのが正直なところですかね。 少女型サイボーグを主人公にして未来譚をつづる、というプロット自体が91年にして手垢なように私は感じてましたし。 石ノ森章太郎を […]

  • 2019.06.08

彼方のアストラ

2016年初出 篠原健太集英社ジャンプコミックス+ 全5巻 宇宙時代を迎えた未来、他天体で遭難した高校生9人が偶然手に入れた宇宙船を操り、はるか5012光年の彼方から帰還するための旅を描いたSF大作。 いやー驚きました。 今どきここまで真正面から宇宙を舞台に冒険SFをやらかしてくれるとは。 もう、完全に途絶してたと思うんですよね、漫画の世界においてこの手のSFって。 80年代~90年代の隆盛を最後 […]

  • 2019.03.31

正義警官モンジュ

2004年初出 宮下裕樹小学館サンデーGXコミックス 全12巻 対犯罪用汎用兵器部隊、通称ギンセイのプロトタイプとして作られた自立型ロボット警官、モンジュの活躍を描いたSFコメディ。 ああ、これは細野不二彦の系譜だ、と思いましたね。 「現実世界に異物を放り込んでドタバタ」ってのはもちろん藤子不二雄が元祖なわけですが、荒唐無稽なのに妙にディテールにこだわってたり、胸をうつ心優しいドラマが随所に盛り込 […]

  • 2019.03.25

サユリ

2010年初出 押切蓮介幻冬舎バーズコミックス 全2巻 すべての著作を追っているわけではないんですが、おそらく作者の最高傑作と言っていい一作なのではと確信する次第。 いわゆるホーンテッド・ハウスものなんですが、この作品がすごかったのは、ホラーのセオリーどおり転居してきた善良な一家が一人、また一人と変死を遂げていった後の展開につきる、と言っていいでしょうね。 断言しますが、後にも先にもこんな形で家に […]

  • 2019.03.23

セブンブリッジ

1986年初版 板橋しゅうほう潮出版社希望コミックス 全7巻 あまりにも漫画好きの口の端にのぼることが少なくて悲しい限りなんですが、80年代のSFファンタジー、冒険SFの中でも確実に3本の指に数えられる傑作、と私が確信しているのがこの一作。 なぜ板橋しゅうほうがそれほどメジャーになることもなくマニア受けする漫画家で消えていってしまったのか、つくづく理解できない、といまだに思います。 アメコミの影響 […]

  • 2019.03.22

狼の口

2009年初出 久慈光久エンターブレインビームコミックス 全8巻 14世紀初頭のアルプス山脈を舞台に、オーストリアの圧政に対する森林同盟三邦の独立を求める戦いを描いた歴史大作。 タイトルの「狼の口」とはアルプス山脈ザンクト・ゴットハルト峠に設けられたオーストリアが管轄する関所のこと。 ドイツとイタリアを最短距離で結ぶ交通の要衝で、ここを通らないと交易が出来ないわけです。 元々は森林同盟三邦が取り仕 […]

  • 2019.03.08

うずまき

1998年初出 伊藤潤二小学館スピリッツ怪奇コミックス 全3巻 伊藤潤二はどちらかと言えば短編作家ではないか、と私は思ってるんですが、そんな作者の長編唯一の成功例がこの作品ではないか、と。 「うずまき」をテーマに連作する、と言う形を取ったことも幸いしたのかもしれませんが、ちゃんとストーリーが出来事とともに推移していって、最後には収束していることにかなり驚かされましたね。 いやね、伊藤潤二って、どう […]

  • 2019.03.06

トンネル奇譚

1997年初出 伊藤潤二朝日ソノラマ眠れぬ夜の奇妙な話コミックス <収録短編>長い夢トンネル奇譚銅像浮遊物白砂村血譚 さて今回も絶好調、伊藤潤二。 収録されている5編、どれも甲乙つけがたい出来でハズレ無し。 個人的に一番気に入ったのは、日に日に見る夢が長くなる男を描いた「長い夢」。 普通に眠っているだけなのに、夢の中では数百年、数千年が経過していて、それはやがて永遠の夢に至る、という発想がもう、こ […]

  • 2019.03.06

怪奇カンヅメ

1993~96年初出 伊藤潤二朝日ソノラマ眠れぬ夜の奇妙な話コミックス <収録短編>仲間の家なめくじ少女隣の窓漂着物ご先祖様異常接近怪奇ひきずり兄弟◎次女の恋人怪奇ひきずり兄弟◎降霊会 これまた名作目白押しの短編集。 どれも甲乙つけがたい感じですが、傑出してるのはやはり「なめくじ少女」でしょうね。 舌がなめくじになってしまう、などというアイディアがいったいどうすれば湧いてくるのか、ほんと作者の頭の […]

  • 2019.03.04

サイレンの村

1990~92年初出 伊藤潤二朝日ソノラマ眠れぬ夜の奇妙な話コミックス <収録短編>サイレンの村煙草会黴記憶道のない街 名編目白押しの一冊。 閉ざされた日本の田舎町に西洋的な魔神を放り込む、という荒業をやってのけた表題作「サイレンの村」でまずは心臓をわしづかみ。 悪魔を題材にした一連の海外ホラーにも肉薄するおぞましい出来で、こういうものも描けたのか、とうれしい驚きでしたね。 黙示録的な黒々しさがあ […]

  • 2019.03.03

墓標の町

1993~94初出 伊藤潤二朝日ソノラマハロウィン少女コミック館 <収録短編>肉色の怪墓標の町許しアイスクリームバス なんといっても出色なのはやはり表題作「墓標の町」。 息を引き取った人がその場で石柱化を始め、やがては完全な墓標となる町での怪異を描いた一遍なんですが、もちろんそんな町なんてあろうはずがないですし、人が石柱化なんてするわけがないのはわかりきってるはずのに、読み進める内にどこか辺境の村 […]

  • 2019.03.03

首吊り気球

1993~94年初出 伊藤潤二朝日ソノラマハロウィン少女コミック館 <収録短編>血玉樹首吊り気球あやつり屋敷 初読時、あまりの奇想とおぞましさに強烈な衝撃をうけたのが表題作「首吊り気球」。 一体何をきっかけにすれば、首を吊ろうと襲って来る気球の話なんて思いつくのか、もう本当にド肝を抜かれましたね。 ひょっとするとこの短編が伊藤潤二の最高傑作ではないか、と今でも密かに思ってたりします。 パニックホラ […]

  • 2019.02.19

羅喉伝

2002年初出 伊藤勢角川書店ドラゴンコミックス 全2巻 近年読んだこの手のマンガの中では一番驚かされた作品。  よりによって角川からこんなド級の伝奇アクションがひっそり発売されていたなんて・・・。 マンガ道、あまりに広大にて険し。 実際のところコミックドラゴン(廃刊)やドラゴンエイジまでチェックしきれないわけで。 まだまだ知らずにスルーしてる傑作がたくさんあるんだろうなあ、と思うとなん […]

  • 2019.02.19

とこよかくりよ

2013年初出 伊藤静講談社モーニングKC 全2巻 一言で言うなら見事化けた、だと思います。  薄甘い心優しさみたいなものは相変わらず主人公の性格設定に反映されてはいますが、それ以上に、まさかここまで人の心に潜む負の感情みたいなものをあからさまに描くだなんて想像すらしてませんでしたね。  これまでの作風をひっくり返してホラーに舵を切る意気込みにも感心。 まあ、いわゆるオカルト除 […]

  • 2019.02.17

ジュウマン

2014年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 1巻(以下続巻) 長野県にある日忽然と出現した謎の巨大不定形物体。 人や建物を下敷きに、一切の銃器や物理的排除を受けつけず、居座り続けて2年。 何もかもがわからぬまま政府はそれを自然災害と認定するが、唯一自然でないのはどうやらそれが生きているらしい、ということ。 時折分裂増殖するそれに呼応するかのように、5人の男女が天啓を受け、自分の意思と […]

  • 2019.02.16

誰かがカッコウと啼く

2006年初出 イダタツヒコ小学館少年サンデーGXコミックス 全3巻 私にとっては本当に仰天させられた一冊。 過去作が嘘のようだ、とすら思いましたね。 近年では類を見ないほどの強烈な悪夢系ホラー、と言って良いんじゃないでしょうか。  数ある破滅と再生を描いた物語の中でも群を抜いて妄想にどっぷりと浸り、電波を飛ばしまくった挙げ句、内宇宙的なカタストロフを演出している、って、もうほとんど何を […]

  • 2019.02.15

千九人童子ノ件

2010年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 作者のこれまでの作風からすると、きっとこの作品は異端なのだろうけど、本作、近年出たいわゆるホラー系の作品を圧倒的にぶっちぎって必読の傑作伝奇ホラーだ、と思う次第。 いや、怖かった。 いや、怖いというか、虚々実々の演出に酔わされてつれて行かれそうになった、と言うか。 別に何か目新しいことをやっているわけでは決してないんですが、小道具といい、シ […]

  • 2019.02.15

サブリーズ

1995年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 多分作者、初の長編作品だと思うんですが、これがもう相当狂ってます。 冒頭、 ボケて巨大化した婆さんが村を壊しながら進軍。 なんだこれ、気の触れた円谷プロかよ、なんの絵なんだよ、と思いきや、主人公はそれを取材する鬱病もどきの新聞記者。 不条理な現象や怪異をぶっこわれた新聞記者がお笑い混じりに滅茶苦茶する感じで各話進んでいくのかな、と最初は思っ […]

  • 2019.02.15

強者大劇場

1993年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 毎回6ページから12ページの連作短編集。 各話に関連性はありません。 多分作者のデビュー作だと思うんですが、これがもう後の作品すべてをぶっちぎる勢いで本当にばかばかしくて私は大好き。  マンガならではの実験作やシュールな作品もいくつかあるんですが、意味なく劇画調で無駄に濃ゆいのがツボにはまる、というか。 「オミットさん」とか「溝呂 […]

  • 2019.01.31

そらトびタマシイ

1993~00年初出 五十嵐大介講談社アフタヌーンKC 作者最初期の短編集。 これが魔女にも及ぼうか、という良作がいくつか収録されていてなかなか侮れません。  私が、おおっ、と思ったのが「熊殺し神盗み太郎の涙」。 川の中にたくさんの瓶が沈んでいるシーンは軽く鳥肌もの。  少しいじってやればジブリの原作にも成りうるのではと思える質の高いファンタジー。 「すなかけ」もお見事の一言。 […]

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