少女漫画

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  • 2019.01.22

白木蓮抄

1977~80年初出 花郁悠紀子秋田漫画文庫 <収録短編> 白木蓮抄 不死の花 百の木々の花々 緑蔭行路 それは天使の樹 幻の初恋 SFの人か、と思っていたらなんでも描ける人で、あらためて驚かされた、ってなところでしょうか。 能を題材にした幻想的な作品から、民間伝承を小道具に時間を超えた恋愛ドラマ、軽妙なタッチのラブコメディまで、実に多彩で感心することしきり。  まあこの時代の漫画家は作 […]

  • 2019.01.22

フェネラ

1977~80年初出 花郁悠紀子 秋田漫画文庫 <収録短編> フェネラ 昼下がりの精霊 水面に咲く 風に哭く 伝説の女流漫画家、花郁悠紀子のSF系の短編ばかりを集めた作品集。 いや、正直唸らされましたね。  表現手法は当時の少女マンガの様式に沿ったものなので、ページを開いて即拒絶反応が出る人もきっと居ることだろうと思うんですが、この作品集、少女マンガであることを余裕で飛び越えてSFとして […]

  • 2019.01.22

パイド・パイパー

1990~91年初出 山岸 凉子集英社YOUコミックス <収録短編> パイドパイパー 蜃気楼 負の暗示 サイコサスペンスの秀作といっていいのが表題作「パイドパイパー」 作者らしい鮮やかな手際の一作。 「蜃気楼」は過去さんざんあったパターンの、男と女のドロドロを狂気に着地させるサスペンスで、まあ単純にぞっとします。  「負の暗示」は実際に昭和13年に起こった大量虐殺事件を漫画化した短編。& […]

  • 2019.01.22

白眼子

2000年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 未来を予見する能力を持つ白眼子と呼ばれる盲目の男の物語。  舞台は戦後の北海道でストーリーは白眼子に拾われた少女の目線で進行していくんですが、当時の世相や風俗、文化の描写が恐ろしくリアルで舌を巻く。  北海道の地域史なんてまるで何も知らないんですが、その現実味の濃さは、ひょっとして白眼子と言う人物は実在したのでないか、と思えるほ […]

  • 2019.01.22

1995年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 今はなきコミックトムに掲載された作品。  呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といった印象も否めず。  過去の短編を引き延ばして雄弁になっただけ、という気がしなくもありません。  ちょっと青臭いオチか、と思う反面 […]

  • 2019.01.22

馬屋古女王

1986年初版 山岸 凉子角川書店全集9 <収録短編> 馬屋古女王 神かくし 「馬屋古女王」は日出処の天子の後日譚とでも言うべき番外編。  聖徳太子の末娘であり、その異形性を最も色濃く受け継いだ薄弱児、馬屋古を巡る物語なんですが、これがもう半端じゃなくおもしろい。  日出処の天子に熱中した人は間違いなくぐいぐい引き込まれていくであろう傑作。 中編だというのにその内容の濃さもさる […]

  • 2019.01.22

ゆうれい談

1986年初版 山岸 凉子角川書店全集17 <収録短編> ゆうれい談 読者からのゆうれい談 あやかしの館 汐の声 全集なのであたりまえですが収録作品が過去に出版された単行本と重複。 単行本初収録はおそらく「ゆうれい談」「読者からのゆうれい談」のみ。  「ゆうれい談」はごく初期の身近に起こった怪奇な出来事をマンガにして綴ったもので貴重と言えば貴重かもしれませんが、こりゃファンしか喜ばないの […]

  • 2019.01.22

海の魚鱗宮

1986年初版 山岸凉子角川書店全集16 <収録短編> 海の魚鱗宮 狐女 籠の中の鳥 鬼来迎 夜叉御前 八百比丘尼 全集なのであたりまえですが収録作品が過去に出版された単行本と重複。 多分発刊時の単行本初収録は「海の魚鱗宮」「狐女」「八百比丘尼」だと思うんですが、自信なし。 表題作「海の魚鱗宮」は失われた過去の記憶を巡る優れたサスペンス。 この短編ひとつで映画一本撮れます。 「狐女」は妾腹に産まれ […]

  • 2019.01.21

奈落

1987~89年初出 山岸 凉子角川書店あすかコミックス <収録短編> コスモス 死者の家 奈落 銀壺金鎖 夜の虹 「コスモス」「死者の家」は男の浮気を題材に壊れていく家庭や人を描いた短編。 似たような話が過去いくつかあり、既視感を覚えることしきり。  「奈落」のテーマは兄弟間のコンプレックスで、これまたお得意のパターン、焼き直しな印象。 「銀壺金鎖」は異母兄弟がそれぞれの視点から不遇だ […]

  • 2019.01.20

わたしの人形は良い人形

1987年初出 山岸 凉子角川書店あすかコミックス <収録短編> わたしの人形は良い人形 黄泉比良坂 星の素白き花束の 若い頃読んで震え上がったのが表題作「わたしの人形は良い人形」。  あらためて読み返してみても変わらず背筋にぞわぞわくるものがあって、これはもう本当に怖い。 日本人形を道具立てに使ったホラーとしては出色の出来ではないでしょうか。 かつてのJホラーブームでよく使われた連鎖す […]

  • 2019.01.20

瑠璃の爪

1987年初版 山岸 凉子 角川書店あすかコミックス <収録短編> 瑠璃の爪 鳥向楽 海底より ある夜に 木花佐久夜毘売 あらら内輪話 「瑠璃の爪」はかつて発表された短編、常世長鳴鳥とほぼ同じ内容。 お好きなんでしょうね、こいういう題材が。 無意識の悪意に焦点を当てている分、こちらのほうが重厚か。 「鳥向楽」は仏教的世界観を地球の創世から人の誕生にまで照らし合わせ絵解き物語風に綴ったもの。 実験性 […]

  • 2019.01.20

パエトーン

1988年初版 山岸 凉子角川書店あすかコミックス <収録短編> グリーンフーズ キメイラ 月の絹 パエトーン 「グリーンフーズ」は落ちぶれた子役が容姿の冴えぬ妹の美声を利用して兄弟デュオとして再起をはかろうとする物語。  各人のエゴやら悪意やらが錯綜する作者らしい嫌な一作なんですが、これ、勝手な想像なのだけれど、どうしてもカーペンターズの悲劇を思い起こさせたりする。 もちろん実話なんて […]

  • 2019.01.20

時じくの香の木の実

1987年初版 山岸 凉子角川書店あすかコミックス <収録短編> 常世長鳴鳥 青海破 副馬 天沼矛 水煙 時じくの香の木の実 「常世長鳴鳥」は体が弱く美しい姉と健康だが凡庸な妹の愛憎劇を描いたサスペンス。 過去に似たようなテーマの短編がいくつかあったような。 お得意のやり口かと。  「青海破」は見えざるものの存在を暴き立てるわけでもなく、恐怖するわけでもなく、そこにあるものとして淡々と描 […]

  • 2019.01.20

黄泉比良坂

1985年初版 山岸 凉子秋田書店ボニータコミックス <収録短編> 黄泉比良坂 クリスマス 海底より シュリンクスパーン 幸福の王子 「幸福の王子」が花とゆめコミックス刊ひいなの埋葬に重複収録。 「黄泉比良坂」は見えざる不可視の存在を、不可視の存在の側から描いた秀作。 あまり詳しく書くと、せっかくの作者の仕掛けが台無しになってしまうので書けないんですが、本作、題材はありきたりながら切り口の巧みさで […]

  • 2019.01.20

日出処の天子

1980年初版 山岸 凉子白泉社 花とゆめコミックス 全11巻 どちらかと言えば短編の名手だという認識があるんですが、それすらさしおいて本作は歴史改変もの不朽の名作長編だと思う次第。 舞台は大化改新以前の日本で主人公は聖徳太子。 よくまあこんなプロットが花とゆめで通ったことだと思ったりもする。 普通ならこの題材、石ノ森先生の「日本の歴史」のような絵解きマンガに堕する危険性は過分にあったと思うんです […]

  • 2019.01.20

あやかしの館

1983年初版 山岸 凉子小学館フラワーコミックス <収録短編> あやかしの館 化野の 夜叉御前 汐の声 ある夜に ホラーっぽい作品を集めた短編集。 やはり突出しているのは「汐の声」か。 これは怖いです。 いやもう半端じゃなく怖い。 いい大人が読んで「ギャッ」と悲鳴を上げそうになる。 都市伝説化してもおかしくないぐらい着想の見事な傑作ホラー。 とっくに壊れてるのに優等生なままの哀れな娘が、家族その […]

  • 2019.01.20

赤い髪の少年

1981年初版 山岸 凉子朝日ソノラマサンコミックス <収録短編> 赤い髪の少年 だれかが風の中で 学園のムフフフ ネジの叫び クリスマス 「クリスマス」がボニータコミックス「黄泉比良坂」に重複収録。 「赤い髪の少年」はジュールルナール原作の「にんじん」をマンガ化したもの。 さすがに有名な作品だけあってよくできた話だと思います。 作者の作風にも合ってる。 マンガならではのなにか、は希薄ですけど。& […]

  • 2019.01.20

メデュウサ

1980~81年初版 山岸 凉子朝日ソノラマサンコミックス <収録短編> 鬼来迎 籠の中の鳥 恐怖の甘い物一家 ダフネー メデュウサ 作者らしいといえばらしいんですが、あまりにむごくて後味の悪い大傑作が「鬼来迎」。 人の心の闇とはなんと深くて救われぬものかと戦慄することしきり。 オカルトに傾倒した探偵小説風の風情もあって、まさにこりゃ必読。 最近はそうでもないのかもしれませんが、一時期乱造されたい […]

  • 2019.01.20

ハーピー

1980年初版 山岸 凉子朝日ソノラマサンコミックス <収録短編> ハーピー 雨の訪問者 ウンディーネ ストロベリーナイトナイト 表題作だけあってとてもよくできた短編なのが「ハーピー」。  妄想なのか、現実なのか、読者を煙に巻く手法はお見事。 現実に潜む狂気の描き方が秀逸。  「雨の訪問者」は藤子先生が描きそうな大人のファンタジー。 すこし、ふしぎで読後感もさわやか。 「ウンデ […]

  • 2019.01.20

天人唐草

1980年初版 山岸 凉子朝日ソノラマサンコミックス <収録短編> 天人唐草 キルケー 夏の寓話 悪夢 駄作なしの傑作短編集。  表題作「天人唐草」は人が狂気に至る構造を、厳格な家庭に産まれた1人の女性の少女時代からじっくり描いた傑作。  重いし救いのない話ではあるが、まさに山岸さんならではの舌鋒鋭さが冴え渡る。 見事。 「キルケー」は山中の古びた洋館に迷い込んだ少年少女を襲う […]

  • 2019.01.20

セイレーン

1976~77年初出 山岸 凉子白泉社花とゆめコミックス <収録短編> セイレーン パニュキス 愛天使 この作品集ぐらいからだんだん怖い山岸凉子が顔をのぞかせてきます。 まさに真骨頂!とでも言いたくなるのが表題作「セイレーン」。  ギリシャ神話を下敷きにホラーなタッチでストーリーを進めておきながら、実はエディプスコンプレックスが隠しテーマとして存在するクライムサスペンスな一作。 容赦なし […]

  • 2019.01.20

ティンカーベル

1973~74年初出 山岸 凉子朝日ソノラマサンコミックス <収録短編> ティンカーベル ラプンツェル・ラプンツェル カボチャの馬車 わたしの人魚姫 ねむれる森の 「ティンカーベル」は引っ込み思案でコンプレックスだらけな少女のラブロマンス。 少女マンガの王道である。 ど真ん中な路線でシニカルな演出も控えめ。 妖精が小道具として登場しますが、まあありがちな使われ方。  「ラプンツェル・ラプ […]

  • 2019.01.20

ゲッシングゲーム

1972年初出 山岸 凉子集英社セブンティーンコミックス 掲載紙の性格上の問題もあるとは思うんですが、個人的には相当きつかった長編。 第一話は72年に描かれているのでほぼ最初期の作品と言っていいと思います。 もう、何もかもが古い。  ストーリーも設定もキャラもいかにも昔の少女マンガ。 お耽美で美形でしかもボーイズラブ風味で、これ、作者に慣れしたんだ人でも結構辛いと思う。  あた […]

  • 2019.01.20

ひいなの埋葬

1973~76年初出 山岸 凉子白泉社花とゆめコミックス <収録短編> ひいなの埋葬 幸福の王子 三色すみれ 比較的初期の短編を集めた作品集。 絵柄も全盛期に比べればいかにも少女マンガでさらに線が細い感じ。 表題作「ひいなの埋葬」は格式や家柄にとらわれた薄幸な皇族の類縁を題材とした物語で、年代物の雛人形を小道具に使ったりと、作者らしさは随所にかいま見れるものの、読んだことを後悔したくなるほどのシビ […]

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