山上たつひこ

1/2ページ
  • 2019.01.25

それゆけ太平

1993年初出 山上龍彦講談社文庫 山上たつひこの初長編小説。 おそらく雛形となっているのはかつて漫画の形で発表されたイボグリくんでしょうね。 主人公のキャラといい、シュール極まりないぶっとんだ展開といい、まさにあのまま。 多分作者は自分のギャグ漫画を活字の形で再構築したかったんでしょう。 とんでもない挑戦だと思います。 そもそも漫画と小説ではリズムも違えば、間のとり方も違うと思うんですよね。 漫 […]

  • 2019.01.25

兄弟、尻が重い

1989~1992年初出 山上龍彦講談社文庫 <収録短編>ロケットマン兄弟!尻が重い秋刀魚日和モ 300隣人の華突きの法善寺横町夢の宴 稀代のギャグ漫画家、山上たつひこの短編小説集。 鶏のページでも書きましたが、技術的にはなんら小説家として如才なく達者です。 とても昨日まで漫画家だった人の書いたものとは思えません。 作品の傾向はおおむねコメディ路線、と言えるかと思うんですが、古くからのファンとして […]

  • 2019.01.22

1988年初出 山上龍彦河出文庫 稀代のギャグ漫画家、山上たつひこの処女小説。 「ブロイラーは赤いほっぺ」を「鶏(とり)」に改題、ペンネームを「龍彦」に変えて文庫化。 まず私が唸らされたのは語彙の豊富さ。 本職の小説家であってすらこれだけ多彩な表現力を持つ人は少ないと思います。 変に力んだ感じがないのもいい。 下敷きになっているのはかつて少年チャンピオンに連載されていた「ええじゃない課」の1話らし […]

  • 2019.01.04

がきデカファイナル

1989年初出 山上たつひこ秋田書店  最終回らしい最終回を描かないまま突如連載中断となったのが1980年。 それから9年を経て、少年チャンピオン40周年の企画として全12回で復活した「がきデカ」完結編が本作。 いやもう当時は感激のあまり目頭が熱くなりましたね。 2度と描かれることはないんだろうなあ、と思ってましたから。 ただ、不安はあった。 ギャグ漫画家って、旬の時期が短いですから。 鴨川つばめ […]

  • 2019.01.03

JUDOしてっ!

1983年初版 山上たつひこ秋田書店チャンピオンコミックス いつものギャグ路線ではあるんですが、時流を意識したかのようにさりげなくスポ根とラブコメをとりいれた超異色作。 オリジネイターであるはずの山上たつひこまでが流行に迎合しちゃうの?と当時はショックでしたね。 高橋留美子か、はたまたあだち充か、ってな按配で青春路線な描写の数々は、がきデカ世代には衝撃ではありました。 まあ、それでもいつもの下品さ […]

  • 2019.01.03

湯の花親子

1987年初出 山上たつひこ双葉社アクションコミックス(1~4巻、別巻) 週刊読売に連載された四コマ漫画。 温泉街でみやげもの屋を経営する家族のすっとぼけた日常を綴った作品。 どことなく原色日本行楽図鑑みたいな感触の内容なんですが、四コマという形式ゆえか、作者らしさは希薄です。 他愛ない、といいますか。 掲載誌を意識したのか、ギャグが良識を蹴飛ばしてエスカレートしていかないんですね。 つまらないわ […]

  • 2019.01.03

鬼刃流転

1989年初版 山上たつひこマガジンハウス 登場人物の全てを卵形2等身で描いた実験的時代劇。 卵形2等身でチャンバラをやって、血しぶきが飛びまくるってだけでおかしいんですが、それにもまして下品で、まさに山上ギャグ真骨頂。  さらにマニアックなのは、この作品が平田弘史の「血だるま剣法」のオマージュにもなっていることであり、すごいところをパロディ化したものだ、とつくづく感服。  な […]

  • 2019.01.03

主婦の生活

1987年初版 山上たつひこマガジンハウス ごめん下さいの路線をさらに洗練させたかのようなホームドラマ。  日々の生活におけるさりげない出来事を主婦の昌代さんの目を通して、滑稽に描いた作品。 手慣れたギャグのテイストは残しつつも、著者後期の独特な作風がにじみ出た作品で、なんとなくコメディで片づけてしまえないような品があったりもします。  山上作品で品、というのも凄い話なんですが […]

  • 2019.01.03

ごめん下さい

1984年初版 山上たつひこ双葉社アクションコミックス 山上版「いじわるばあさん」ってな感じでしょうか。 なんてことない二世帯同居な家族のホームドラマなんですが、ばあさんのキャラがよく出来ててとにかく笑えます。 こういうババアは本当に居そうだ、と感じさせつつも、実は作者にしかできない独特なディフォルメが施されているのが絶妙だ、と思う。 このシリーズは本当に続いて欲しかったですね。 ギャグ漫画の礎を […]

  • 2019.01.03

お天気君

1983年初版 山上たつひこ双葉社アクションコミックス ええじゃない課で作者は、一見普通に見えるキャラにボケさせてギャップゆえの意外性の笑いを追及する方向に興味を示しだしたわけですが、本作、その路線を継ぐ作品と言っていいと思います。 ただ、この意外性の笑いって、見た目のインパクトに頼れない分、しっかりネタを繰っておかないと地味に映ってしまう危険性も孕んでるわけで。 ちょっと落とし穴にはまっちゃった […]

  • 2019.01.03

原色日本行楽図鑑

1988年初版 山上たつひこ双葉社アクションコミックス 上記画像は後に小学館クリエィティブから発売になったもの。 私が読んだ双葉社版とは収録内容が違います。 小学館版は双葉社版からいくつかの作品がカットされている様子。 本作、4コマを含む、旅や観光をテーマにした作品なんですが、ギャグと言うよりはほんのりコメディ、と言った感じですね。 おそらく作者の実体験が反映されたのであろうエッセイ的作品作りが興 […]

  • 2019.01.03

ええじゃない課

1982年初版 山上たつひこ秋田書店チャンピオンコミックス 全6巻 個性の強い連中の集まった玉鹿市市役所に勤務することになった主人公、須崎君のドタバタな日々を描いたギャグ漫画。 おおむねいつもの山上ギャグではあるんですが、中盤ぐらいからそれぞれのキャラの役回りが変わってくるのがこの作品の特徴でしょうか。 序盤は大仏みたいな顔をしたキャラ、課長がバカなことをやらかしてそれを須崎君がつっこむ、という形 […]

  • 2019.01.03

スタミナサラダ

1977年初版 山上たつひこ講談社マガジンKC 元々「スタミナサラダ」といえばにんにくの化け物みたいなのがこまわり君ばりに滅茶苦茶やらかすギャグ漫画で、 朝日ソノラマから発売になっていた山上たつひこ名作劇場に収録されていたはずなんですが、何故か本作は同タイトルで野菜研究家サラダ博士を主人公にしたギャグ作品になってます。 微妙に設定はかぶっていて、登場するキャラも同じ人物が何人か居るんですが、それぞ […]

  • 2019.01.03

金瓶梅

1988年初版 山上たつひこ秋田書店プレイコミックス 中国四大奇書のひとつと言われる金瓶梅を漫画化したもの。 原作は読んだことないんですが、大金持ちの色事師、西門慶の奔放な女遊びを描いた小説らしく、本国では官能小説として知られ、何度も発禁処分を受けた作品であるとか。 わたなべまさこや他の漫画家も作品化してますんで秘かに人気の題材なのかもしれません。 もちろん山上たつひこですんで原作どおり進むはずも […]

  • 2019.01.03

冒険ピータン

1985年初出 山上たつひこ実業之日本社マンサンコミックス  少年チャンピオンに連載されたが、何故か秋田書店からはコミックス化されず、マンサンで単行本にまとめられた一冊。 多分人気がふるわなかったんでしょうね。 全14話収録。 海底帝国やら人魚やらも登場するどこかSFチックな山上版海洋冒険ギャグ。 主人公が海の上では何の役にも立たない饅頭屋の息子だったり、女海賊の船長がレズビアンだったりと、主要キ […]

  • 2019.01.03

イボグリくん

1982年初版 山上たつひこ双葉社アクションコミックス おそらく福井英一の柔道漫画「イガグリくん」のパロディ。 もうやりたい放題スポ根を辱めてますんで当時少年だったファンが読んだらひきつけおこすか、怒り心頭に達するかのどちらかだと思うんですが、ネタ元を読んだことがない身としては普通に爆笑。 シュールで実験的な試みもいくつかあって、後の不条理ギャグを予見するかのよう。 同じく双葉社から後年発売になっ […]

  • 2019.01.02

鉄筋トミー

1985年初版 山上たつひこ双葉社アクションコミックス スペースファンタジーというかSFアドベンチャーというか、異形のマーベルコミックというか、まあともかくそういう路線でギャグ一直線、という異色作。 どことも知れぬ裏宇宙、という設定なんですけどね、ナウシカを土足で踏みにじるような巨大昆虫と砂漠の世界観は、まさに王のそばで皮肉を呟き続ける宮廷道化師、これぞ反骨精神旺盛な笑いの真骨頂か、などと初読時は […]

  • 2019.01.02

ヨイショで満開

1981年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス 山上流ホームドラマ、といった感じでしょうか。 どことなく天才バカボンや、古谷三敏の諸作を思い起こさせる家族ものギャグなんですが、そこはまあ山上たつひこなんで、飛ばしっぷりが半端じゃありません。 ばかばかしさも度を越して縦横無尽。 満開の親父のキャラとか私かなり好きなんですけどね、どうも当時はそれほど人気がふるわなかったみたいですね。 […]

  • 2019.01.02

能登の白クマうらみのはり手

1982年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス <収録短編>能登の白クマうらみのはり手大和民族体型保存会スタミナサラダ(全5話)アルプス犬坊(全1話) 表題作のみ、幾分発表年代が新しいのでは、と思います。 一番よくできてる、と思えるのもこれ。 「スタミナサラダ」は作者ががきデカで確立したお得意なパターンのギャグ。 でもけっこうこれ、私、好きなんですよね。 体の欠損を補うためにギョー […]

  • 2019.01.02

にぎり寿司三億年

1980年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス <収録短編>にぎり寿司三億年にぎり寿司腰みの踊りタイムマシンつき電子レンジつんつるてん宇宙船えっさ丸 どこか70年代国産活字SFっぽい発想が香るギャグ短編を集めた作品集。 「つんつるてん」を除いて、どの短編も独特のアイディアが光ってます。 特に表題作はアホなキャラで笑わせるのではなく、そのシチュエーションが笑える、という秀作。 「タイ […]

  • 2019.01.02

感電しますよ

1982年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス 初期の頃から活躍するキャラ、半田溶助を今回は街の電気屋の社長にすえて滅茶苦茶やらかしたギャグ。 半田溶助の、あいかわらず粘着質でお下劣なふるまいに嫌悪感を抱く人もいそうな気もしますが、少年誌掲載、とあってそのいかがわしさもかつてに比べれば幾分セーブ気味。 やってることはこまわり君と似たようなもの、なんですが、中年のおっさんキャラがやら […]

  • 2019.01.02

ボクシン子

1979年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス ボクシングジムを舞台にアホな会長と、その練習生のドタバタを描いたギャグ。 全11話が収録。 絵柄も安定し、笑いも一番冴えてる頃の作品なんで普通におもしろいですが、あまり人気は出なかったよう。 手車叫春と色好増二のキャラは後に「メロンな二人」でも活躍。 双方比較して読んでみるにも興味深いかと。 最終回はちょっと投げやり気味ですが、総じて […]

  • 2019.01.02

快僧のざらし

1976年初版 山上たつひこ秋田書店少年チャンピオンコミックス 全3巻 がきデカと平行して月刊チャンピオンに連載された作品。 設定に違いはあれど、やってることはほぼこまわり君と同じです。 こちらは茶坊主が主人公で、物語の舞台がお寺、というだけ。 がきデカとの微妙な違いは、暴走する変態キャラがのざらしに加え、陽念と陰念の三人組である、という点ぐらいでしょうか。 常にのざらし達の悪ふざけの被害をこうむ […]

  • 2019.01.02

半田溶助女狩り

1989年初版 山上たつひこ秋田書店プレイコミック 初版は平成元年ですが、内容と絵柄から察するにおそらく初出は70年代半ばぐらいでは、と思われます。 おなじみ下品極まりないエログロギャグ。 滅茶苦茶やってます。 狂ってます。 初期の作者のギャグって、もうほんと男性の生理を露骨にぶちまけた汚辱路線なんで、ダメな人は多分ダメでしょう。 私もあんまり好んでは読まないですね。 半田溶助はやっぱり感電します […]