50年代

  • 2019.03.06

鉄腕アトム

1952年初出 手塚治虫講談社漫画全集 全18巻 言わずと知れた漫画文化黎明期における歴史的名作。 誤解を恐れずに言うなら、ことロボットSFと呼ばれるジャンルに関しては、何もかも全てアトムがこの時代にして全部やりきってます。 それこそ人あらざるものの自我についてや、人を超えてしまった存在(ロボット)と人類の共存についてまで、その可能性や行き着く果てを手塚先生は想像力を尽くして言及。 もちろん子供向 […]

  • 2019.02.03

鉄人28号

1956年初出 横山光輝秋田書店ACセレクト 1~2巻(全6巻) 後のロボットものに大きな影響をあたえたといわれている作品ですが、さすがに今あらためて読むと何もかもが古すぎて眩暈がしてきます。 作者は鉄腕アトムを巨大化したものをやろう、と当初考えたらしいですが、自我を持つロボットの苦悩にまで言及したアトムと比較するなら、やっぱりこっちはただの人型巨大兵器によるシンプルな大活劇でしかないな、と思った […]

  • 2019.01.17

忍者武芸帳

1959年初出 白土三平小学館文庫 全8巻 史的唯物論を持ち込んだ忍者漫画の歴史的傑作と呼ばれるシリーズ。 かの手塚治虫は白土三平のせいで漫画にイデオロギーを求められるようになってしまった、とぼやいたぐらいだから当時の衝撃は相当なものだったんでしょう。 今回あらためて読み直してみて、なるほど確かにこりゃ60年代の作品とは思えぬドラマ性がある、と唸らされたんですが、それと同時に、広げた風呂敷を破綻な […]

  • 2018.11.21

魔神ガロン

1959年初出 手塚治虫 宇宙から降ってきた巨大人型生物兵器をめぐっての騒動を描いたSF大作。 雛形は鉄人28号か。 このころの巨大人型ロボといえば必ず少年がコントロール、と言う不文律があったように思いますが、本作も御多分にもれず。 その少年をも宇宙から飛来させた、と言う点が従来の作品との差異かも知れませんが、ここは普通に地球の少年でよかったようにも思います。 宇宙の少年の操る宇宙ロボと言う設定が […]

  • 2018.11.20

0マン

初出1959 手塚治虫 リスから進化したという設定の亜人種0マンと人類の、地球の支配権を巡る攻防を描いたSF巨編。 人間に拾われ、はからずも田手上博士と心を通わせる結果となった0マンリッキーは自分の種族と人類の間で板挟みとなって苦しむが・・というストーリー。 これでもかとばかり人類はどこまでも愚かに描かれており、同様に0マンの支配層も、進んだ科学技術を形にする明晰さを併せ持ちながら暗愚で、問題を解 […]

  • 2018.11.20

虹のプレリュード

1958~75年初出 手塚治虫 主に少女雑誌に掲載された作品を集めた短編集。 表題作が一番読み応えがあるか、と思われますが、ロシアに占領される直前のポーランドにおける女性ピアノ奏者のストーリー、短編で料理するにはなにかとテーマが重厚で大風呂敷で、たった100ページほどではもの足りぬ感触もあり。 ただ、ここからルードヴィヒBにつながっていくのか、と思われるような音を絵で表す試みもあり、そういう意味で […]

  • 2018.11.20

スーパー太平記

1958年初出 手塚治虫 未来から江戸時代にやってきた家族がタイムマシンの誤作動で子供だけを江戸時代に置き去りにする羽目になるが、子供は偶然にもスリに身をやつす女に拾われて・・という物語。 いわゆるタイムスリップものですね。 おもしろくなりそうなオープニングなんですけど、結論から言ってしまうと失敗作ではないか、と。 SFなオープニングが全然いかされてない展開がさんざん続き、エンディングに至っては、 […]

  • 2018.11.20

フィルムは生きている

1958年初出 手塚治虫 アニメーションを作ることを夢見る主人公がいろんな障害にも負けずに自分のアニメを作り上げるまでを描いた青春ドラマ。 当時、虫プロで日本初のテレビアニメに挑んでいた先生の心情も大いに反映されての作品だと思われますが、これはちょっとどうなんだ、と。 アニメ作りをスポコン風にえがくのはやはりちょっと無理があるのでは、と思う次第。 大衆演劇をみているかのようなお涙頂戴な展開もやや疑 […]

  • 2018.11.20

雑巾と宝石

1957年初出 手塚治虫 小説サロンに連載された作品。 追突のショックでブスから美人へと変貌する主人公のドタバタを描いた大人向けラブコメディ。 たあいないといえばたあいないのだけれど、これがもうほんとうにかわいらしい作品で。 先生らしからぬコケティッシュさが魅力の異色作。 自らの画風を掲載誌によって描き分ける先生ですが、本作は当時の手塚治虫の第3のタッチととらえても良いのでは、と思ったりしました。 […]

  • 2018.11.20

ひょうたん駒子

1957年初出 手塚治虫 今はなき娯楽誌、平凡に連載された大人向け漫画。 とはいえ劇画登場以前の作品ですんで、ハードな筆致や描写はありません。 後の「フースケ」あたりの作品と同系統の作風。 南極からやってきたオングル族の娘がなれない都会でまきおこすドタバタを描いたナンセンスコメディーですが、まあ適当と言えば適当で、時代を鑑みればそれも仕方のないことなのかも知れないなあ、と思ったりもします。 こうい […]

  • 2018.11.20

ライオンブックス

1956~72年初出 手塚治虫 講談社全集 全7巻 初期の作品はおもしろブックの別冊に月一で掲載された連作短編、後期のものは少年ジャンプに掲載された短編を集めたもの。 ライオンブックスの命名は当時の集英社の編集長によるもので、SFを意識して描かれた作品がほとんどであるとか。 ちなみに講談社の全集のカタログにあるタイガーブックスは本シリーズの後発姉妹編のようなもの。 とりあえずおもしろブック掲載のも […]

  • 2018.11.20

SFミックス

1956~61年初出 手塚治虫 主に当時の少年サンデーや冒険王に掲載された短編を集めたものですが、これが意外によくできていてビックリ。 特に講談社全集版1巻に収録された短編はどれもSFマインドにあふれていてストーリーにフックがあり、発表年代や掲載誌を考えると驚きの完成度だと思います。 特に「2から2を消せば2」「最後は君だ」「宇宙からのSOS」等、素晴らしいと思う。 不思議なのは2巻で、これタイト […]

  • 2018.11.20

漫画生物学

1956年初出 手塚治虫 学研の中学生向き雑誌に連載された、生物の不思議を漫画で解説する一冊。 それこそ生命が地球に誕生した不思議から昆虫の不思議まで、バラエティに富んだ内容で、この作品をきっかけにそっちの方面に進んだ、なんて子供も居たかもしれないなあ、と思ったりもします。 興味深いのはただ絵解き風に解説するだけでなく、突然テーマに関連するショートショートみたいなのが毎回挿入されることで、アイディ […]

  • 2018.11.19

火の鳥(少女クラブ版)

1953年初出 手塚治虫 漫画少年やCOMに連載された手塚治虫のライフワーク「火の鳥」とは別物。 タイトルは同じですが、いうなれば同タイトル少女向けパイロットフィルム、とでもとらえるべきか。 リボンの騎士のファンを意識して描いた、と先生はおっしゃってますが、まあそれにしてもラブロマンスです。 特に火の鳥の子供がチロルちゃんと呼ばれているのにはもうむずがゆくって笑うしかない。 熱烈なファン向け。 あ […]

  • 2018.11.19

リボンの騎士(少女クラブ版)

1953年初出 手塚治虫 懐かしさのあまり心は毎週アニメを見ていた少年時代にタイムスリップです。 少女マンガ初のストーリー漫画がこのリボンの騎士らしいですが、もう本当に先生は何でもお描きになって、と感心することしきり。 男性が書いたとは思えぬ線の柔らかさ、愛らしさでただただ驚かされます。 もちろんこれがそのまま現代に通用するとは言いませんが、夢見る少女達の「王子とお姫様の寓話」として設定、プロット […]

  • 2018.11.19

ぼくの孫悟空

1952年初出 手塚治虫 タイトルから想像できる内容そのまま手塚版西遊記。 大きく改変もなく原典に忠実な設定でストーリーですが、コミカルな演出を多分に意識したようで随所で度を超えた悪ふざけあり。 三蔵法師一行が日本に渡航して武士とチャンバラしたり、手塚先生本人が三蔵法師と入れ替わるメタフィクションな回もあったり。 掲載紙が秋田書店の漫画王という幼年向けの雑誌だったらしく、そのせいか、デティールなん […]

  • 2018.11.19

ロック冒険記

1952年初出 手塚治虫 あとがきによるとカレルチャペックの山椒魚戦争をヒントに描かれた作品らしいですが、オープニングのスペクタクルな展開は山椒魚戦争というより現代ハリウッドにも通ずるダイナミックさでド迫力なように私は感じました。 まだSFという言葉すらなかった(あとがきより)時代によくぞここまでやったものだと思う。 地球と同一軌道上を公転する惑星ディモンがその公転周期を突如早めたため人類に発見さ […]

  • 2018.11.19

来るべき世界

1951年初出 手塚治虫 HGウエルズの「来るべき世界」とは無関係。 天変地異による地球滅亡の危機を怪生物フウムーンと絡めて描いた終末SF。 本作は後に「フウムーン」のタイトルでリメイク、アニメ化されています。 あっちへふらり、こっちへふらりと寄り道だらけのストーリーで、まあ、時代も時代なのでそのあたりはしかたがないか、と思うんですが、正直前半は散漫な出来。 俄然熱を帯びてくるのは滅亡の危機が直前 […]

ジャングル大帝

1950年初出 手塚治虫 手塚治虫の初期の著作の中でも非常に有名で、テレビアニメにもなり、何度も単行本化された本作ですが、まあ、贔屓目に見て、ある種のおとぎ話であり、子供のためのファンタジーであり、けれん味たっぷりな和製ディズニー、ってな感じではあります。 タイトルはやたらかっこいいんですが、知名度にあんまり期待しすぎると肩すかしを食らいます。 あれこれ矛盾や暴走、行き当たりばったりをはらんだまま […]

  • 2018.11.19

漫画大学

1950年初出 手塚治虫 手塚版漫画の描き方。 とはいえ終戦後の「描き版」の時代の話ですし、技術的なこともあまり書かれておらず、すぐに脱線して実践編とでもいうべき短編が始まってしまうので当時でさえあまり参考にならなかったのでは、と言う気がしないでもありません。 結構売れたらしいですが。 今あらためて読む分には、こういうものもあったんだなあ、という資料的価値で接するのが正解かと。 それ以上でもそれ以 […]