70年代

1/2ページ
  • 2019.04.06

ビタミンI

1971年初出 望月三起也大都社 上、下 マンモス団地に越してきた未亡人に惑わされる住人たちのデタラメな大騒ぎを描いたホームコメディ。 作者にしては珍しく警察も犯罪者も登場しない非アクション系の作品です。 どうも望月三起也はすっとぼけてるけど純真なグラマーがお好きなようですが、正直なところ序盤から中盤ぐらいまでストーリーが上手に転がってない印象を受けますね。 こういうのは柳沢きみおあたりにやらせた […]

  • 2019.03.31

TATSUMI

1970~72年初出 辰巳ヨシヒロ青林工藝舎 <収録短編>地獄はいってます男一発さそり飼育東京うばすて山いとしのモンキーグッドバイ 貸本漫画時代から活躍し、漫画を初めて「劇画」と提唱したことで有名な作者の代表作を集めた短編集。 2010年にシンガポールのエリック・クー監督が本書に収録されている「地獄」「はいってます」「男一発」「いとしのモンキー」「グッドバイ」をアニメ化して発表したことにより、近年 […]

  • 2019.03.27

宇宙長屋

1979年初出 石川賢双葉社アクションコミックス 週刊漫画ゴラクに連載されていた連作長編を双葉社が00年に再単行本化したもの。 落語でおなじみの熊さん八っつあんがドタバタ劇を繰り広げる艶笑コメディなんですが、そこは石川賢ですんで舞台は宇宙。 なんせなめくじ長屋が単独で地球の軌道上を回る衛星のひとつ、って設定ですんでばかばかしいというか、ふざけてるというか。 けどまあ、古めかしいものを新しい器に盛る […]

  • 2019.03.27

伊賀淫花忍法帳

1978年初出 石川賢双葉社アクションコミックス 76年~79年の4年間で廃刊した漫画ジョーという青年漫画誌に掲載された、同主人公の短編を集めたもの。 かつてはオハヨー出版という謎の出版社から同タイトルで単行本化されてましたが、何をとち狂ったのか00年に双葉社が「時元忍風帳」を併録の上、再単行本化。 虚無戦記シリーズが連続刊行されてる時でしたね、売れる、と思ったんでしょうね。 見事目論見ははずれ、 […]

  • 2019.03.24

ペイルココーン

1976年初出 板橋しゅうほう東京三世社シティコミックス 作者のデビュー作を含む最初期の単行本。 宇宙規模で伝奇的だわ、異星人は飛来するわ、ベムは大活躍するわ、時空は超えるわ、人類の命運はかかってるわで、とんでもないスケールのSFアクションなのは間違いないが、ま、どうしたってあれこれ未熟。 パロディやら悪ふざけも満載で、今読むとその脱線ぶりにいささか疲れる、と言うのはありますね。 ただところどころ […]

  • 2019.03.21

ストレンジャー

1976年初出 石ノ森章太郎秋田漫画文庫 全4巻 僻地に隠された空間転移装置によって、火星に移送された主人公の冒険を描くSFファンタジー。 誰かがこれは石ノ森章太郎による「火星のプリンセス」だ、と評してましたが、ああ、そう言われればそうかも、って感じですね。 まえがきで「E・R・バローズとジョン・カーターに捧げる」とご本人も書いてらっしゃいますし。 実は火星には地下都市があって、そこは巨大化した昆 […]

  • 2019.02.18

買厄懸場帖 九頭竜

1974年初出 石ノ森章太郎講談社漫画文庫 1巻(全2巻) 作者の代表的な時代劇といえば佐武と市捕物控でありさんだらぼっちか、と思うんですが、個人的な好みでいうなら本作が一番よく出来てるんではないか、と思わなくもありません。 なによりプロットが秀逸。 全国を巡る薬売りでありながら、惨殺された親の仇を探すためにトラブル解決を引き受ける裏の顔をも持つ男の旅の日々を描く、ってちょっと類似作が思いつかない […]

  • 2019.02.16

さんだらぼっち

1976年初版 石ノ森章太郎小学館ビッグコミックス 1巻(全17巻) 遊郭でのツケを回収することを仕事とする、始末屋とんぼの奮闘を描いた時代劇。 早い話が吉原から債権を買い取って、支払おうとしない借財人から現金を徴収する借金取りの話なわけですが、金にまつわるすさんだ人間関係やアコギなやりとりが痛々しくも赤裸々に描写、ってわけではなく、どうしたら払ってもらえるのか、知恵と工夫でなんとかしましょう、っ […]

  • 2019.02.10

バンパイラ

1975年初出 石ノ森章太郎双葉文庫 1巻(全2巻) プレイコミックに連載された艶笑コメディ。 吸血鬼族の女の子の男漁りの日々を描いた作品なんですが、なんと言えばいいのかもう、全てがいい加減で。 同族の子孫を増やすために主人公のパイラちゃんはベッドのお相手を常に捜し歩いてるんですが、いや待て、そもそも生まれてくる子供はハーフなんじゃねえのか、それを同族の子孫と言えるのか?というつっこみが前提として […]

  • 2019.02.10

叛逆の家紋

1971~75年初出 平田弘史青林工藝舎 <収録短編>吉田松陰介錯豪傑叛逆の家紋嘘 油がのりきってて手がつけられない、と通読していて実感する充実の短編集。 絵柄が全盛期のものに近いタッチに変わってきていることもあってか、なんだかもう血生臭さが誌面から匂いたってくるかのようです。 その問答無用な迫力、むせかえるような熱量たるや半端じゃなし。 どの短編も読み応えたっぷりなんですが、作者らしい、と一番感 […]

  • 2019.02.07

スカルマン

1970年初出 石ノ森章太郎講談社ペーパーバックKC 仮面ライダーへの道筋をつけた作品として有名な一作。 後に島本和彦が続編を描いてますが、そちらは未読。 元々は100ページほどの中編で、少年マガジンの新年読み切り企画として掲載されたものだったとか。 従来のヒーロー像を打ち壊す新しいスタイルの正義の執行者を、という編集部の依頼によって出来た作品らしいんですが、どっちかといえばヒーローと言うより仮装 […]

  • 2019.02.05

ドロロンえん魔くん

1973年初出 永井豪角川書店 テレビアニメの企画が先行した上で漫画化を依頼されたのか、まず原作漫画ありきなのか、そのあたりは不明なんですが、読後の印象としてはどうもタイアップっぽい、ってな感じ。 なんだかユルさがマジンガーZやキューティーハニーと似てるんですね。 基本アニメと協調路線なんですが、回を重ねれば重ねるほどお色気コメディ風にお茶を濁しだす流れも2作品と同じ。 アニメは正義感溢れるえん魔 […]

  • 2019.02.03

仮面ライダー

1971年初出 石ノ森章太郎中公文庫 全3巻 特撮ドラマシリーズより連載が先行してますが、厳密には原作ではなく、東映に作者が設定とキャラクターデザインを提供した経緯から講談社が漫画化を企画した、と言うのが正解。 今日に至るまで仮面ライダーの原作は石ノ森章太郎と必ず表記されてますが、あれ、どうなってるんでしょうね? なにか大人の話し合いでもあったんでしょうか。 で、肝心の内容ですが、ほぼテレビドラマ […]

  • 2019.01.28

さそり

1970年初出 篠原とおる小学館ビッグコミックス 全8巻 梶芽衣子の名を一躍有名にした「女囚701号/さそり」の原作にして、篠原とおるの出世作。 犯罪者を検挙するためならどんな悪辣な手段をも辞さない刑事、杉見の罠にはまって刑務所送りとなった松島ナミの監獄生活を描いた作品ですが、今あらためて読んでも普通に面白いです。 もちろん当時と今とでは女子刑務所も様変わりしてるんでしょうし、脚色もきっとあるんだ […]

  • 2019.01.27

はだしの巨人

1973年初版 望月三起也秋田書店少年チャンピオンコミックス 全3巻 アフリカを舞台に、大商人になることを夢見る少年クローの奮闘を描いた冒険もの。 主人公が異国の地で大金を手にしようと活躍する立身出世伝である、と言う点がいつもの望月漫画とは若干肌合いをたがえますが、クーデターやらなんやらで政情不安な中、血煙をかいくぐり信頼できる仲間を増やしていく、という展開は作者お得意の路線そのもの。 ちょうどこ […]

  • 2019.01.24

白土三平異色作品集

1975年初出 白土三平小学館ビッグコミックス 全18巻 1 サバンナ2  ナータ3 ペンテウス4~8 バッコス9 野牛の歌10 ボロロ11 ワタカ12 七ツ桶の岩13 首の男14 雨女の島15 お仙16 泣き原17 原人の墓18 鬼泪 カムイ伝と忍者武芸帳で当時の漫画界に一大旋風を巻き起こした作者が挑んだ新シリーズ。 時代劇漫画の白土三平が次に描くのは神話が題材になるらしい、と大きく話題になった […]

  • 2019.01.22

首代引受人

1971年初出 平田弘史リイド社SPコミックス それが事実なのか、創作なのかはわからないんですが、戦国時代、敵に追われ窮地に陥った武士が己の首を敵の言い値で売り、その場で手形を渡し死を免れる因習があったらしいんですね。  その後、手形を持って本人に首代金の支払いを迫ることを職業とする借金回収人を主役としたのが本作。 なんとも独特なプロットです。 時代劇に滅茶苦茶詳しいわけではないんですが […]

  • 2019.01.22

それがし乞食にあらず

1970~71年初出 平田弘史青林工藝舎 <収録短編>我れ枯るるともそれがし乞食にあらず仕末妻秘砲抱え大筒不承知槍誰も戦い望まぬけれど サンデー毎日等に掲載された短編を集めた作品集。  これがもう何事か、と言いたくなるほど読み応え充分の作品ぞろいでどれをとってもその内容の濃さに唸らされることしきり。 やはり一番印象に残るのは、下級武士の死を賭けた鉄の意思を描いた「それがし乞食にあらず」で […]

  • 2019.01.18

地球へ

1977年初出 竹宮恵子スクエアエニックスGファンタジーコミックス 全3巻 なんせ初めて読んだ竹宮恵子のマンガが「風と木の詩」だったので、当時学生だった私は激しい嫌悪感を覚え、それが原体験となり、本当に長い間、氏の作品は敬遠しておりました。  はっきり言って敬遠したままその存在を忘れていた、と言っても良い。  それが突然ああ、そういえば・・・と記憶が甦ったのが本作「地球へ」の復 […]

  • 2019.01.18

ミステリオス

1972年初出 小室孝太郎高橋書店 全2巻 ワーストや命MIKOTOの強烈さを期待すると完全に肩透かしをくらうと思います。 学園の番長で、素行不良な主人公悟郎が、なぜか救われない魂をあの世に送る手伝いをする羽目になる、というオカルトファンタジー風な筋立ての作品なんですが、やりたいことは理解できるものの、すべてにおいてどこか中途半端な印象を私はうけました。 まず、なぜ悟郎でなくてはダメなのか、という […]

  • 2019.01.18

命 MIKOTO

1978年初出 小室孝太郎集英社ジャンプスーパーエース 80年代にブームを巻き起こした伝奇バイオレンスの先駆けとも言える作品。 漫画で呪術、密教を題材としたオカルトアクションをやったのはおそらく本作が最初ではないか、と思います。 恐ろしく早かったのは間違いないでしょうね。  なんせ「孔雀王」より7年早いし、「魔獣狩り」より6年早い。 後の大ヒットを鑑みるなら先見の明があったことは確か。& […]

  • 2019.01.17

ワースト

1970年初出 小室孝太郎集英社ジャンプコミックス 全4巻 侵略SF、パニックSFの傑作として好事家の間で名高い作品ですが、なるほどこれは先駆的作品として伝説化するのもわかる、と納得の一品。  とても少年ジャンプ掲載とは思えません。 いったい何の叙事詩なんだ、って言うぐらい長い時間をまたいで物語が紡がれていくのにもびっくりですが、安直なヒロイズムに陥らぬ大人目線のドライさにも感心。 脇目 […]

  • 2019.01.17

アタゴオル物語

1976年初出 ますむらひろし朝日ソノラマ 1~3巻(全6巻) マンガ少年に掲載された、人語を解する巨大猫ヒデヨシと少年テンプラの活躍を描いた作者おなじみのファンタジー、最も初期のもの。  後年に比べると作画がかなり拙い、というのはあります。 まだ画風が定まってない、との印象も受ける。  路線は以降の同一世界観を綴ったシリーズと大きく違わないんですが、アタゴオルというファンタジ […]

  • 2019.01.17

愛と誠

1973年初出 梶原一騎/ながやす巧講談社マガジンKC 全16巻 当時、空前の大ブームを巻き起こし、何度も映像化された作品ですが、実は私、読んだことがなかった。 何の根拠もない先入観なんですが、すごく暑苦しそう、と思ってたんですね。 なんせ梶原一騎ですし。 あしたのジョーは言うに及ばす、スポ根を定着させたその偉業は漫画界に燦然たる足跡を残した、とは思うんですが、だからこそその方法論で「純愛」を描く […]