デヴィッド・クローネンバーグ

マップ・トゥ・ザ・スターズ

カナダ/アメリカ/ドイツ/フランス 2014監督 デヴィッド・クローネンバーグ脚本 ブルース・ワグナー 題材そのものにさして新鮮味はないと思うんです。 ハリウッドのセレブ達の、欲望と自己顕示欲にまみれたドラッグ漬けの裏側を描く、って、これまで似たような作品がなかったか、といえば、そうでもないように思いますし。 まあこんなものだろうな、という想像は安易に及ぶ。 ではそこでスキャンダラスであること以上 […]

  • 2019.01.08

コズモポリス

フランス/カナダ 2012監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 ドン・デリーロ アメリカを代表する文豪ドン・デリーロの小説を映画化。 いやー油断してたらやってくれましたクローネンバーグ。 もうすっかりエンターティメントに徹しきってるのかな、と思いきや、この期に及んでこんなわけのわからない作品を撮ってくるとは。 とりあえずこの作品のキャッチコピーやあらすじを鵜呑みにしてはいけません。 「ウルフ・オ […]

危険なメソッド

イギリス/ドイツ/カナダ/スイス 2011監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 クリストファー・ハンプトン 戯曲の映画化。 かの有名な心理学者ユングとフロイトの関係を、1人の女性患者をキーパーソンに描いた史実を基とするドラマ。 まず思ったのはこの作品、いったいどういう層をターゲットに作られたのだろうか、ということですね。 ただでさえマニア受け気味なクローネンバーグがユングとフロイトって、なんかも […]

イースタン・プロミス

イギリス/カナダ/アメリカ 2007監督 デヴィッド・クローネンバーグ脚本 スティーブ・ナイト ヒストリーオブバイオレンスに続いてまたもや暴力と闇社会がテーマのマフィアもの。 いや、ほんとどうしたんだクローネンバーグ?と昔からのファンとしては頭をひねるわけですが、監督のフィルモグラフィーや作家性を無視して考えるなら、これはこれでよく出来てます。 この手の映画の好きな人にとっては高い評価を得そう。 […]

ヒストリー・オブ・バイオレンス

アメリカ/カナダ 2005監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 ジョン・ワグナー、ヴィンス・ロック なにゆえクローネンバーグがこのような作品を?と当時は首をかしげた一品。 今なら(2015年現在)ジェイソン・ステイサムとかリーアム・ニーソンあたりが主役を務めたらばっちりはまりそう。 良きパパが実は過去、悪逆非道な殺し屋だった、って作品なんですが、プロットはともかくとして私が気になったのは、クロー […]

  • 2019.01.04

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする

フランス/カナダ/イギリス 2002監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 パトリック・マグラア なんともまあ内省的な映画です。 ただそれが誰にとっての内省であるのか、というとややこしいところ。 精神病患者専門の収容施設だか病院だかを予算の都合で強制退院させられた主人公が、中間施設と呼ばれる寮のような場所で外界と触れ合いながら、自分の過去をたぐる、といった内容のドラマなんですが、端的に言ってしまう […]

イグジステンズ

カナダ/イギリス 1999監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 監督がビデオドロームで取り組んだ、仮想現実がリアルを侵食するネタをもう一度、時代の推移に沿ってゲームの世界で展開して見せた一作。 生理的嫌悪感をもよおす内臓感覚な肉々しさはこれでもかと炸裂。 ゲームのコントローラーとおぼしき物体なんてどうみても網にのせられる前のホルモンだし、コードなんて臍帯にしか見えません。 それを脊髄にあけた穴 […]

  • 2019.01.02

クラッシュ

カナダ 1996監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 J.G.バラード 車で交通事故を起こすことが性的興奮につながるフェチな人々を描いた、性癖がテーマのなんともカルトな一作。 今回あらためてこの作品を見てみて私が驚いたのは原作としてJ.G.バラードがクレジットされていたこと。 J.G.バラード、こんなわけのわからないポルノもどきな小説も書いていたのか、と。 いや、熱心な読者ではないので、こういう […]

エム・バタフライ

アメリカ 1993監督 デヴィッド・クローネンバーグ脚本 デヴィッド・ヘンリー・ホアン 2015年現在、未DVD化。 VHSは結構出回ってるみたいです。 トニー賞を受賞した戯曲の映画化なんですが、公開時はなにかと酷評されてましたね。 戦慄の絆でアイデンティティと性に着目したクローネンバーグのその後の作品としては、順当な題材選びだったかと思いますが、いかんせんジョン・ローンという当時の人気俳優をキャ […]

  • 2018.12.24

裸のランチ

イギリス/カナダ 1991監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 ウィリアム・バロウズ バロウズの奇書を映像化した作品。 そもそもバロウズの原作を読んでないので、なにがどうクローネンバーグの手によって書き換えられたのかすらわからないんですが、とりあえずひたすらシュールです。 一応、お話として筋はあるんです。 筋はあるが、ストーリーを構成する骨子の数々がことごとく意味不明。 実験映画、と言うほど観客 […]

戦慄の絆

カナダ 1988監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 バリ・ウッド、ジャック・ギースランド あ、今までとなにかが違う、というのが、最初に見たときの感想でした。 クローネンバーグはこの作品を起点に、明らかに自己の表現手法を変えてきた、と思います。 なんといいますか、不必要に煽らないんですね。 じっくりと登場人物の内面を掘り下げるように、淡々と不穏さを、崩れゆく均衡が醸す秘めたる狂気を、幾重にも塗り […]

ザ・フライ

アメリカ 1986監督 デヴィッド・クローネンバーグ原作 ジョルジュ・ランジュラン あまりに有名なSFホラーの古典「蝿男の恐怖」のリメイク。 クローネンバーグといえばブルードといいビデオドロームといい、生理的に気持ち悪い絵を得意としてきた人ではありますが、本人が集大成、と言うだけあって本作、そのグロさも磨きがかかっていたりします。 ホラー好きとしてはたいていの血しぶきや肉片ごときではひるまない自信 […]

  • 2018.12.06

スキャナーズ

カナダ 1981 監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ クローネンバーグが撮った割にはやけにエンターティメントしててわかりやすい作品。 スキャナーズと呼ばれる超能力者同士の、立場の違いによるいさかいを描いたSFなんですが、アメコミとは一線を画すものの、かといってキャリーやフューリーのように日常に根ざしたドラマがあるわけではありません。 プロットはどちらかといえば単純。 それなりにドロドロした人 […]

  • 2018.12.05

デッドゾーン

カナダ 1983 監督 デヴィッド・クローネンバーグ 原作 スティーブン・キング やたら薄気味悪かったり、偏執的だったりするホラーが得意な監督だと思っていたらなんだこれは!と当時ひどく心揺さぶられた一作がこのデッドゾーン。 交通事故が原因の5年に及ぶ昏睡から目覚めた主人公が、後遺症と引き換えになぜか千里眼の能力を得てしまう、というSFなんですが、これがもう半端じゃなくおもしろいんです。 描かれてい […]

  • 2018.11.26

ビデオドローム

カナダ 1982 監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ クローネンバーグの名を世界に知らしめた1作。 なんと言っても偶然受信したスナッフビデオが見たものを汚染し、ドラッグのように精神を蝕んでいく、というアイディアに恐ろしく先見性があったように思います。 デティールは違えど、これを呪いと置き換えるなら、まさに「リング」そのものなわけですし。 連鎖、感染する狂気を描いた作品の先駆けとして評価するこ […]

  • 2018.11.25

シーバース

カナダ 1975 監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 人間を色情狂にする寄生虫が狂信的な教授の手で作り出され、隔離的環境の島で爆発繁殖する、というストーリーのなんだかよくわからないパニックSF。 うーむ、クローネンバーグも1日にしては成らず、といった感じですかね。 物語の骨格は後に発表されたラビッドとほぼ同じだと思います。 デティールが違うだけ。 この作品が致命的なのは、人間の内臓の代わりを […]

  • 2018.11.23

ラビッド

カナダ 1977 監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 先進的な医療を試したがため、肉体に変異を起こしてしまった女が、無差別に血を求め、次々と感染者を増やしていく、という、吸血鬼を下敷きにしたパニックホラーなんですが、とりあえず初期設定がかっ飛びすぎですよ、監督!と言ったところでしょうか。 いくらなんでも皮膚を中性化して移植したぐらいで人はパンパイアにはならんだろ、というつっこみが一斉に聞こえ […]

  • 2018.11.22

ザ・ブルード 怒りのメタファー

カナダ 1979 監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ なんて薄気味悪い映画を撮るんだ、と私が若い頃腰を抜かしたのがこの作品。 いったいどういうヒントがあればこんなアイディアを思いつくんだ、と、初めて見たときは本当に驚愕しましたね。 とにかくオープニングからして異様なんです。 新たな療法を試そうとする精神科医の公開カウンセリングで物語は開幕。 うっすらと狂気漂う、奇妙な二人芝居にまずはぐいぐい […]