ロマン・ポランスキー

告白小説、その結末

フランス/ベルギー/ポーランド 2017監督 ロマン・ポランスキー原作 デルフィーヌ・ド・ヴィガン 書けない女性作家の元に、突然現れたファンを名乗る女性との奇妙なかかわり合いを描いたサスペンス。 ま、知ってる人は誰もがスティーブン・キングのミザリー(1990)を思い出すんじゃないか、と思います。 アレの女性版なのかな?と。 実際ストーリーも、ファンの女性が徐々に奇矯な行動をとりはじめていく様子を追 […]

毛皮のヴィーナス

フランス 2013監督 ロマン・ポランスキー原作 デヴィッド・アイブス ブロードウェイでヒットした二人芝居を映像化。 ポランスキーは戯曲を題材にするのが好きだなあ、なんて思いつつも、最近見かけなかったエマニュエル・セニエが47歳とは思えぬお色気で裸身も辞さず主演をはっててびっくり。 監督の嫁とはいえ、やっぱりちゃんと女優さんなんだなあ、とおかしなところで感心。 ワンダという難しい役柄も巧みに演じて […]

おとなのけんか

フランス/ドイツ/ポーランド 2011監督 ロマン・ポランスキー原作 ヤスミナ・レザ 戯曲の映画化。 子供同士のケンカを穏便に解決すべく集まった両親の、密室での話し合いの場を描いた会話劇。 シナリオがよく出来てるんで普通におもしろいんですが、カメラが居間と洗面所を往復する以外、ほとんど他のシーンを映さないので映画作品としては小粒な印象を受けるかもしれません。 とはいえ最終的にわが子かわいさで本性を […]

ゴーストライター

フランス/ドイツ/イギリス 2010監督 ロマン・ポランスキー原作 ロバート・ハリス いったいどうしたんだポランスキー、って言いたくなるほどここ数年の作品、全部おもしろくてファンを続けてきてつくづく良かった、と何度目かの溜飲を下げた一作。 今のところ戦場のピアニストからハズレなし。 これこそが円熟の極みか。 えーそれは先走って冒頭から書かなくてもいいか。 元英国大統領の自叙伝を書くことになったゴー […]

  • 2019.01.07

オリバー・ツイスト

イギリス/チェコ/フランス/イタリア 2005監督 ロマン・ポランスキー原作 チャールズ・ディケンズ 19世紀のロンドンを舞台に、救護院から脱走した孤児、オリバーの生き延びるための日々を描いた作品。 いやもう半端じゃなくおもしろいです。 誰の助けも借りられず、わずかな食料以外はなにひとつ持たず、雨露にうたれながら110キロはなれたロンドンへ1人とぼとぼ歩いていく前半のオリバーの哀れな姿からして涙腺 […]

戦場のピアニスト

フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス 2002監督 ロマン・ポランスキー原作 ウワディスワフ・シュピルマン 実在の人物、ウワディスワフ・シュピルマンの回顧録を元に、ナチス侵攻下のポーランドを奇跡的に生き抜いたピアニストを描いた作品。 いやもう目の醒めるような力作です。 不振が続いた90年代はいったいなんだったんだ、と頭を傾げたくなるような辣腕ぶりです、ポランスキー。 私がこの作品で一番感心したの […]

ナインス・ゲート

フランス/スペイン 1999監督 ロマン・ポランスキー原作 アルトゥーロ・ペレス=レベルテ ナインスゲートと呼ばれる悪魔について書かれた本の真贋を依頼された主人公が、次々と謎の事件に巻き込まれていく様を描いたサスペンスタッチなホラー。 こういう題材は好きですし、前半はとても楽しめたのは確かなんですが、やっぱり問題は後半でしょうかね。 一言で言うなら冗長。 たいした謎じゃないんですよ、本に隠された秘 […]

死と処女

アメリカ 1995監督 ロマン・ポランスキー原作 アリエル・ドーフマン ブロードウェイで話題になった戯曲の映画化。 チリ独裁政権下を題材にした作品で、捕虜に陵辱の限りを尽くした収容所医師が、民主化後、偶然捕虜と再会し、はからずも拘束されてしまう一夜の出来事が描かれてます。 さすがに元が戯曲だけはあってシナリオは緻密に濃厚で、予断を許しません。 声と匂いだけで、私を陵辱したのはこの男だ、と言い張るヒ […]

赤い航路

フランス/イギリス 1992監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ、ジョン・ブラウンジョン 偶然、クルーザーの旅で居合わせた夫婦同士の奇妙な交流を描いた人間ドラマ。 どことなく監督の初期作水の中のナイフのような質感があります。 水の中のナイフで、ヨットのオーナーであった倦怠期っぽい夫婦が、今回はピーター・コヨーテとエマニュエル・セリエ、同乗することになった青年 […]

  • 2018.12.27

ポランスキーのパイレーツ

フランス/チュニジア 1986監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ 2015年現在、未DVD化。 VHSはそれなりに出回ってるみたいですが、ほとんど話題になってないような気がします。 はて? カリブ海を舞台に、強欲な海賊レッド船長を主人公とした海洋ドタバタコメディ、といった按配の作品なんですが、それほどひどい出来、というわけでもなし。 興行的に大コケしたんで […]

  • 2018.12.19

マクベス

イギリス 1971監督 ロマン・ポランスキー原作 ウィリアム・シェイクスピア かの有名なシェイクスピアの戯曲、マクベスを映画化。 2015年現在、DVD化されておりません(2018年DVD化されました)。 VHSなら比較的安価で出回ってます。 私はシェイクスピアの戯曲自体をきちんと読んだことも、観たこともないのですが、映像を見る限りでは多分原作に忠実にやってるんだろうなあ、という感触は受けました。 […]

  • 2018.12.19

欲望の館

イタリア/フランス/西ドイツ 1972監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ いまだDVD化されておらず(注:2018年、DVD化されました)、現存するVHSも中古で恐ろしい値段がついているポランスキー70年代の艶笑コメディ風の作品ですが、それほどアダルト、と言うわけでもなく、それほど笑える、と言うわけでもありません。 どちらかといえばひたすらシュール。 とり […]

  • 2018.12.16

チャイナタウン

アメリカ 1974監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロバート・タウン ジャックニコルソン演じる私立探偵が町ぐるみの汚職に挑むハードボイルドなミステリ。 実に見ごたえがあった、というのは確かなんです。 じりじりと真相に迫っていく展開は二転三転するシナリオ構成の見事さに支えられ緊張感たっぷり。 ただですね、肝心のエンディングがどうも私にはスッキリしなかった。 結局チャイナタウンって何?ってのがよくわから […]

  • 2018.12.12

吸血鬼

アメリカ/イギリス 1967監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブッシュ 吸血鬼を題材に、あれこれお約束を茶化してばかばかしさを突き進んだホラーコメディ。 とりあえずオープニングで博士が凍りついているのには思わず、ドリフかよ!とつっこんでしまいました 。 まあそれほど爆笑ポイントが絨毯爆撃、ってわけでもないんですけどね、キャラがいい、と言うのはありましたね。 落ち着き […]

テス

フランス/イギリス 1979監督 ロマン・ポランスキー原作 トーマス・ハーディー イギリスの文豪トーマスハーディーの「ターバヴィル家のテス」を映画化した文芸大作。 19世紀末イギリスの農村地帯を舞台に、貧農の娘として産まれたテスの数奇な恋を描いた作品ですが、とにかくナスターシャーキンスキーの美しさに釘付け、ですね。 どんな貧しい身なりをしていてもベールの隙間からのぞく端正な顔立ちは、その都度はっと […]

テナント 恐怖を借りた男

フランス/アメリカ 1976監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ ポランスキー自らが主演をつとめた狂気がテーマの心理スリラー。 どこか反撥と似たような印象を私は持ちましたね。 多分キャロルとトレルコフスキーは置き換え可。 こういう題材が好きなんでしょうね、きっとポランスキーは。 主人公が新たに入居した古びた集合住宅での隣人トラブル、奇妙な現象の数々は、どこか […]

  • 2018.11.27

袋小路

イギリス 1966 監督、脚本 ロマン・ポランスキー コメディといわれればコメディかも、と思えなくもないんですが、登場人物のどこか屈折した描写はなにか含むものがありそうで、うかつに笑えない、というのはありますね。 金持ちの芸術家気取りが、若い妻を連れて孤島で楽園を実現しようとしたところに、意外な闖入者が現れて、はからずも理想の暮らしが崩壊していく様を描いた作品なんですが、あ、うまいな、と私が思った […]

  • 2018.11.23

水の中のナイフ

ポーランド 1962 監督 ロマン・ポランスキー 脚本 ロマン・ポランスキー、イェジー・スコリモフスキ、ヤクブ・ゴールドベルク どことなく倦怠感漂う夫婦と、ヒッチハイクで拾った青年の、ヨットでの一夜を描いた心理劇。 独特な作品だなあ、というのはありましたね。 物語がどこを向いているのか、どこへ行こうとしているのか、全く読めない、というか。 なにかと暗示的ではあるんです。 行きずりの青年に対してヨッ […]

  • 2018.11.22

ローズマリーの赤ちゃん

アメリカ 1968 監督 ロマン・ポランスキー 原作 アイラ・レヴィン 私がこれまで見たホラー映画の中で、1、2を争う怖さだったのが実は本作。 とはいえ多くのホラーファンが期待するような、スプラッターな血しぶきや異形の存在、禍々しさ満載の忌まわしい絵がショッキングにちりばめられているわけではありません。 むしろ作品自体は地味に淡々とマタニティブルーな主人公、ローズマリーの不安定な精神状態や、行動を […]

フランティック

アメリカ 1988 監督 ロマン・ポランスキー 脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ 学会のためパリを訪れたアメリカ人医師が、空港でトランクを間違えた事から妻を誘拐されてしまう、という巻き込まれ型のサスペンス。 言葉の通じない異国で妻を奪還すべく孤軍奮闘するハリソンフォードの好演が光ってます。 大使館も警察も頼りにならない状態で、頼るべき人もなく、わずかな手がかりから犯人を追う主人公 […]

反撥

イギリス 1964 監督 ロマン・ポランスキー 脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ ひたすら不穏な映画です。 なんだか神経質そうで人付き合いの苦手そうな女が徐々に精神を蝕まれていくのをじっくり描いた作品。 色んな小道具や、妄想と思われるシーンを巧みに使い、狂気を演出する手法はさすがに非凡なものを感じさせますが、シナリオが弱い、というのは否めないところでしょうか。 そもそも主人公のキ […]