2010年

  • 2019.03.17

哀しき獣

韓国 2010監督、脚本 ナ・ホンジン 延辺朝鮮族自治州に暮らすタクシー運転手の借金苦による転落を描いたクライム・サスペンス。 ほんとに物を知らなくて恥ずかしいんですが、韓国のすぐ側に少数民族である朝鮮族が治める自治州がある、というのが私の場合初耳で。 今調べてみたら56の少数民族が中国で暮らしているのだとか。 そんなのに居るのか!って感じですが、新疆ウイグル自治区の問題を取り上げるまでもなく、ど […]

レポゼッション・メン

アメリカ 2010監督 ミゲル・サポチニク原作 エリック・ガルシア 完全なる人工臓器が完成した近未来。 人工臓器のお陰で人々は長寿を手に入れるが、実は臓器そのものの値段はべらぼうに高額。 臓器を開発したユニオン社は、長期ローンを低所得者に進めることで、その金利を利潤とする商売を考え出す。 爆発的に広まる人工臓器。 けれど当然のことながら、貧困ビジネスゆえ、ローンが支払えなく連中が次から次へと現れて […]

トゥルー・グリット

アメリカ 2010監督 コーエン兄弟原作 チャールズ・ポーティス コーエン兄弟、初の西部劇。 勇気ある追跡(1969)のタイトルで原作は一度映画化されてますが、そのリメイク、というわけではなく、単純に原作を元として再映画化を試みた作品のよう。 監督は「勇気ある追跡」を記憶してない、と発言してます。 私も未見。 物語は、14歳の少女が殺された父親の復讐を誓い、協力者を雇ってたった二人で犯人追跡に乗り […]

ブラック・ブレッド

スペイン/フランス 2010監督 アグスティ・ビリャロンガ原作 エミリ・テシドール 内戦後の1940年代スペイン、フランコ独裁政権による弾圧を背景に、階級社会の下層で翻弄される家族の姿を子供の視点から描いたサスペンス。 オープニング早々、男が何者かに襲われ馬車ごと崖下に転落するシーンが強烈なインパクトです。 これ、CGなのか実際に馬ごと突き落としたのか、ちょっと判別できないんですが、やたら生々しい […]

  • 2019.02.10

この愛のために撃て

フランス 2010監督 フレッド・カヴァイエ脚本 フレッド・カヴァイエ、ギョーム・ルマン さらわれた奥さんを取り戻すために、警察と悪人どもを向こうに回して孤立無縁な戦いを強いられる看護士の男を描いたクライム・サスペンス。 監督の劇場デビュー作であるラスト3デイズと微妙にネタがかぶってるような気もしますが、もう、そんなことどうでもいいってぐらいおもしろくて最後まで目が釘付け。 2作目にしてこの手のジ […]

ビューティフル

スペイン/メキシコ 2010監督、原案 アレハンドロ・G・イニャリトゥ スペイン、バルセロナのダークサイドに生きる男の、余命宣告を受けた最後の2ヶ月を描いた作品。 もう本当にこのイニャリトゥと言う人は息苦しくなるような痛々しい映画ばっかり撮って、いったいあなたのこれまでの人生、何があったんだ、と膝突き合わせて話をしたくなってくるほどですが、まあその、向こうが私の事なんて相手にしてくれませんね、はい […]

インセプション

アメリカ 2010監督、脚本 クリストファー・ノーラン ド級のSFと言っていいと思います。 近年のハリウッドにおいて、こんなクソややこしくもマニアックな題材をきちんとエンターティメントに仕上げて、しかもヒットさせるなんて御技はもうクリストファー・ノーランにしかできないことでしょうね。 まあ、他人の精神に侵入する、潜る、というネタ自体はそれほど新しくはないと思うんです。 日本においては小松左京が78 […]

  • 2019.01.22

アニマル・キングダム

オーストラリア 2010監督、脚本 デヴィッド・ミショッド デヴィッド・ミショッド監督の長編デビュー作。 母親が急死した事によって、祖母一家に引き取られた高校生が悪行三昧な一家の放蕩にふりまわされる様を描いたクライム・サスペンス。 正直ストーリー前半はそれほど緊張感があるわけでも、ひきこまれるものがあるわけでもないんです。 否応なく悪事の片棒を担がされてしまう高校生が気の毒だなあ、 ってなぐらいで […]

ブラック・スワン

アメリカ 2010監督 ダーレン・アロノフスキー原案 アンドレス・ハインツ まず言えるのは、この作品に限ってはバレエに興味がない人が見ても確実に爪痕を残すなにかがある、ということ。 オープニングのシーンでパートナーと「白鳥の湖」を舞う主人公ニナ。 一人二役を象徴するかのように途中で悪魔のような出で立ちの男とパートナーがすり替わる。 もう、この時点で軽く鳥肌です。 なんかよくわかんないんですが直感的 […]

  • 2019.01.19

ソーシャル・ネットワーク

アメリカ 2010監督 デヴィッド・フィンチャー原作 ベン・メズリック フェイスブックの誕生秘話を、創業者マーク・ザッカーバーグに焦点をあて描いた群像劇。 どことなくフィンチャーらしくない題材だなあ、こういうのは他にやれる監督がいくらでもいるのでは、と最初は思ったんですが、見すすめていくうちにどんどん引き込まれていって、挙句にその語り口の巧みさに舌を巻いた次第。 普通にうまくてなんだかもう小憎らし […]

ゴーストライター

フランス/ドイツ/イギリス 2010監督 ロマン・ポランスキー原作 ロバート・ハリス いったいどうしたんだポランスキー、って言いたくなるほどここ数年の作品、全部おもしろくてファンを続けてきてつくづく良かった、と何度目かの溜飲を下げた一作。 今のところ戦場のピアニストからハズレなし。 これこそが円熟の極みか。 えーそれは先走って冒頭から書かなくてもいいか。 元英国大統領の自叙伝を書くことになったゴー […]

  • 2019.01.05

ザ・ウォード 監禁病棟

アメリカ 2010監督 ジョン・カーペンター脚本 マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン ゴースト・オブ・マーズで大コケして以降、10年間沈黙を守っていたカーペンターの復帰作。 とはいえその10年の間にマスターズ・オブ・ホラーで短編を2本発表してはいるんですが、これはテレビシリーズなんでまた別物、ということで。 私、2本とも見てますけどそれほど突出した出来ではないです。 あえて見るならマス […]

  • 2018.11.26

ホラー・シネマ・パラダイス

アメリカ 2010 監督、脚本 ジョシュア・グランネル あ、意外とちゃんとしてる、というのが観た後の率直な感想でしたね。 ホラーコメディ、みたいなキャッチコピーがあったので、もっと滅茶苦茶やってるのかな、と思ったんですが、至極普通にサイコスリラーで、幾分拍子抜けした、というのはあったんですけどね。 まあ、映写技師のじじいのキャラが笑えるとか、細かな悪ふざけはあるんですが、コメディってほどではない、 […]

  • 2018.11.23

気狂いピエロの決闘

スペイン/フランス 2010監督・脚本 アレックス・デ・ラ・イグレシア サーカス団で二人のピエロが美女を巡って殺し合い、というプロット自体は、嫌いではないんです。 泣き虫ピエロのハビエルがどんどん身を持ち崩していって、サイコキラー化していくのもおもしろい、と思う。 ただですね、その過程に徹底して「もっともらしさ」がないんですね、この作品。 おそらくこういう作品の場合、「もっともらしさ」を補完するの […]

  • 2018.11.23

イップマン 葉問

香港 2010 監督 ウィルソン・イップ 脚本 エドモンド・ウォン ドニーイェン主演のイップマン序章の続編なんですが、これまた前作に引き続き素晴らしい出来。 ドニーの抑えた演技も変わらず見事なんですが、敵役としてサモハン・キン・ポーが出演しているのも見どころのひとつでしょうね。 特に中盤の、円卓の上でのアクションシーンは必見の凄さ。 しかしまあサモハンはあの体で本当によくやる、と思う。 しかもサモ […]

  • 2018.11.18

モンスターズ/地球外生命体

イギリス 2010 監督・脚本 ギャレス・エドワーズ  予想に反して非常におもしろかった、というのが正直な感想です。 低予算で近未来SF、しかも地球外生命体がうじゃうじゃいるメキシコ、などという設定は処女作にしてあまりにも冒険がすぎるのでは、と思ったりもしたんですが、監督は見事その高いハードルをクリアしましましたね。 ただ突き詰めるならこの作品、SFらしいSFというよりも、どこかロードム […]

  • 2018.11.18

胸騒ぎの恋人

カナダ 2010監督、脚本 グサヴィエ・ドラン 正直中盤ぐらいまでは立ち上がりが遅いなあ、なかなか話が進まないなあ、なんて思ってたんです。 ドキュメンタリー風に、物語とは直接関係のない人物の独白がちょくちょくはさまれるのも、変に集中力をそがれて私はあんまり好きになれませんでした。 ストーリーがぐいっ、と動き出すのは中盤以降。 仲良し3人組に恋愛感情が割り込んできてその関係が破綻していく様が描かれて […]