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ハウス・ジャック・ビルト

デンマーク/フランス/スウェーデン 2018監督、脚本 ラース・フォン・トリアー 思ってた以上に球筋の素直なシリアルキラーものでしたね。 いや、なんせトリアーだから。 露悪的かつ鬱屈とした嫌らしさで、ものすごく後味の悪いオチへとリードするんだろうなあ、いやだなあ、と思ってたんですが、そうでもなかった。 雑に類別するなら、これまでに発表されたあまたの殺人鬼ものとそれほど大きな差異はない。 殺人鬼であ […]

魂のゆくえ

アメリカ 2017監督、脚本 ポール・シュレイダー この映画を見るにあたって「今、アメリカの古い教会がどのような状況にさらされているか?」を、まず知っておかないと、おそらく監督の伝えたかったことは半分も理解できないことであろう、と思われます。 そりゃ誰のことを言ってんだ?って、私のことなんすけどね。 いや、面目ない。 なんかもう、うじうじと煮えきらねえ牧師が自家中毒気味に自分を追い詰めて、ああ面倒 […]

ホテル・アルテミス

アメリカ 2018監督、脚本 ドリュー・ピアース まず、恐ろしく老けたジョディ・フォスターにびっくりさせられます。 いつの間にこんなおばあちゃんに!と腰抜かしたんですが、さすがに57歳でここまで皺くちゃってのもありえないと思うんで、多分これは老け顔メークなんだろうと。 多分ね。 だって52歳のニコール・キッドマンがアレですしね、アクアマン(2018)でヒロインを食わんばかりの若々しさを弾けさせてる […]

  • 2019.12.23

座敷女

1993年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC リング(1998)以降のJホラーブームをあたかも先取りしたかのような傑作ホラーだと思いますね。 まだストーカーという言葉すら一般的でなかった頃に、こういうものを形にしてしまう先見性がとんでもない。 私の場合、世代的に怖い女といえば貞子ではなく、コチラ。 映画も含めて多くのホラーが提供する恐怖の対象といえば、座敷女以前はそのほとんどが男性であり、居てもせ […]

  • 2019.12.22

バイクメ~ン

1989年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全4巻 作者の趣味が全面に出た作品。 テーマになってるのは1950年代のロックンロールとその文化ですけど、軽佻浮薄な80年代にエルヴィスとかリーゼントとか言われてもなかなか振り返ってくれる読者は居なかったんじゃないか?という気がしますね。 なんせ掲載誌はヤンマガ、読んでるのは若い人がほとんどだったでしょうし。 私も含め、当時はみんなが「なにか新しいもの […]

  • 2019.12.22

バタアシ金魚

1985年初出 望月峯太郎講談社ヤンマガKC 全6巻 なんとも線が独特だなあ、とは思いましたね。 私は絵に詳しくないんで、どういう勉強をしてなんの影響をうければこういう作画になるのか、わからないんですけど、当時、こんな絵を描いてる人は居なかったことだけは確か。 漫画界のニューウェーブなんて呼ばれてたりもしましたが、わからなくはない。 妙な硬さがあるのに、流暢にも思えるのが個性的。 それは物語作りに […]

A GHOST STORY

アメリカ 2017監督、脚本 デヴィッド・ロウリー 旦那が死んで、幽霊となり、妻の周りにまとわりつくお話、となるとゴースト/ニューヨークの幻(1990)が思い出されたりもするわけですが、こちらは胡散臭い霊媒師が現れて二人でダンスを踊ったりなんぞはしません。 ファンタジックな要素やホラー色はほぼ皆無。 旦那の幽霊はただもう淡々と妻の側に居る。 びっくりくりするぐらいなにもできないまま、ただ居る。 で […]

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

アメリカ 2019監督 ジョン・ワッツ脚本 クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ なんせアベンジャーズ/エンドゲーム(2019)の次に来るMCU作品ですんで、いったいあの大活劇のあとの混乱、癒やされぬ心理的ダメージをどう収拾つけていくつもりなのか、私は少なからず注目していたんですが、うーん、期待に答えてくれるほどのものはなかった、というのが正直なところですかね。 オープニングの数分でこれまでの流れ […]

  • 2019.12.17

外れたみんなの頭のネジ

2016年初版 洋介犬泰文堂アース・スターコミックス 1巻(以下続刊) ある日突然、周りの人間が全員おかしくなってることに気づいた女子中学生ミサキの恐怖な日常を描いたホラー。 この作品の最大の難点は、非現実を立脚せしめる足場が組まれてないことに尽きるでしょうね。 客観的視点が存在しないんです。 1対全部などという構造にしちゃったものだから、数の論理でいけばおかしいのは主人公であるミサキ、という逆説 […]

誰もがそれを知っている

スペイン/フランス/イタリア 2018監督、脚本 アスガー・ファルハディ 妹の結婚式の最中に起こった誘拐事件を描くサスペンス。 誘拐されたのは姉ラウラの娘、イレーネ。 パーティーの最中に忽然と姿を消すんですね。 その後はお決まりのパターン。 脅迫メールが届いて右往左往、警察に知らせるべきだー、いや駄目だー。 事件はラウラの過去、親族の古びた怨恨をも掘り返して、膠着したままじりじりと、進展の気配すら […]

  • 2019.12.16

百人の半蔵

2014年初出 横尾公敏秋田書店少年チャンピオンコミックス 1巻(全4巻) 中二魂がそのまま炸裂したかのような時代劇漫画。 もープロットからして滅茶苦茶です。 百人の服部半蔵が日本を分割統治してる戦国時代に、果心居士の呪法で強さを身につけた剣士が大暴れする話ですから。 ちなみに地下幕府の将軍は柳生十兵衛だ。 北斗の拳(1983~)というか、男一匹ガキ大将(1968~)というか。 一応、復讐劇ですん […]

殺し屋

アメリカ 2018監督 マイケル・ケイトン=ジョーンズ脚本 ジェイ・ザレツキー 老いた殺し屋の、老いらくの恋を描いた作品。 はっきり言って、既視感満載の意外性ゼロなシナリオ進行が「またか・・」と脱力を招く内容ではあるんですが、なんとなく最後まで見れてしまうのはロン・パールマンが主演を努めているという珍しさからか。 キャスティングの難しい役者だと思うんですよ、パールマンって。 私のイメージでは未だロ […]

  • 2019.12.13

我らコンタクティ

2017年初出 森田るい講談社アフタヌーンKC 個人で民間ロケット打ち上げに執念を燃やす主人公かずきと、いつの間にやら巻き添えになるOLカナエの危なっかしい挑戦を描いた宇宙ロマン。 ああ、これはあさりよしとおのなつのロケット(1999~)だ、と思いましたね。 国家がやらねえなら俺達が自分の手でやる、と誓った少年の心を忘れぬ男たちの無謀な挑戦が、現実にインターステラテクノロジズ(株)の立ち上げによっ […]

  • 2019.12.12

人馬

2016年初出 墨佳遼イーストプレス 1巻(全4巻) 簡単に言ってしまうなら、ケンタウロスがもし戦国時代にいたら・・を描いたファンタジー。 物語では「古来より神獣として崇められてきた存在であったが、戦乱が彼らを戦いの装具に貶めた」と設定されてますが、それにしてもなぜケンタウロスなのか?ってのが私にはよくわかんないですね。 テーマになってるのは異種族間における無理解と衝突なんです。 これ、別に半人半 […]

  • 2019.12.12

メイドインアビス

2013年初版 つくしあきひと竹書房バンブーコミックス 1巻(以下続刊) 孤島に発見された、深さのしれない巨大な竪穴の最深部を目指す子どもたちを描いた冒険ファンタジー。 どうやら架空の世界を舞台としたお話、という設定のようです。 竪穴にとりつかれた人たちを描写することで物語は進んでいくんですが、なんとなくふわふわしてるなあ、というのが最初の感想。 絵本っぽい、というか童話風というか。 それなりのも […]

わらの犬

アメリカ 1971監督 サム・ペキンパー原作 ゴードン・M・ウィリアムス イギリスの片田舎に越してきた学者夫婦を見舞う、予期せぬ惨劇を描いたバイオレンス。 なんといってもこの作品、見どころはラスト数十分に尽きる、と言っていいでしょう。 描写されているのは小心者で争いを嫌う夫が、身の危機を感じ、別人格が乗り移ったかのように豹変するシークエンス。 今更あえて書き連ねるまでもなく主演のダスティン・ホフマ […]

  • 2019.12.10

レイリ

2016年初出 室井大資/岩明均秋田書店チャンピオンコミックスEXTRA 1~2巻(全6巻) 家族を無残にも惨殺された過去を持つ、死にたがりの少女レイリの数奇な人生を描いた戦国絵巻。 ま、なんせ原作が岩明均ですんで。 そこは信頼してもいいと思うんです。 今の岩明均なら、生ぬるい時代劇モドキでお茶を濁すようなことはまずしないだろう、と。 きっと骨太に物語は展開していくはず。 なのに、だ。 なぜか2巻 […]

  • 2019.12.10

頑丈人間スパルタカス

1993年初出 安永航一郎徳間書店少年キャプテンコミックススペシャル 全4巻 今はなき月刊少年キャプテンに連載されたドタバタギャグ。 さて、安永航一郎というと、私は県立地球防衛軍(1983~)を思い出すんですけど、本当にこの人は全然変わらんなあ、と。 80年代そのままですね。 というか、ラブコメ路線、学園もの路線で少年漫画の世界に新風を吹き込んだ当時の少年サンデーの匂いが依然色濃く漂ってる感じ。 […]

  • 2019.12.09

ハッピー・デス・デイ 2U

アメリカ 2019監督、脚本 クリストファー・ランドン ハッピー・デス・デイ(2017)の続編。 うーん、あの終わり方で続編、って相当難しいんじゃないかなあ、結局同じことをまた繰り返すだけになるんじゃないかなあ、と案じてたりもしたんですが、結果的に予想は概ね的中するも、面白さはさらに度合いを増すというミラクルを見せつけてきやがりました、監督は。 私が驚かされたのは、タイムループの謎をきちんと解き明 […]

  • 2019.12.08

星が原あおまんじゅうの森

2008年初出 岩岡ヒサエ朝日新聞社眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 1巻(全5巻) なんとなくミヨリの森(2003~)と質感の似たファンタジーですが、うじうじした駄目男が主人公ってのがいかにも岩岡ヒサエか。 いや駄目男なのかどうかしらないですが。 ピュア、とか、いくつになっても夢を失わない人、などというべきなんでしょうが、なんだかもうしっかりしろ!といいたくなるのは私が若くないせいですかね。 ま、そ […]

  • 2019.12.08

しろいくも

2005年初版 岩岡ヒサエ小学館ikkiコミックス <収録短編>むかしむかしマタ今度ネこあくまとよる骨董屋さくら堂しろいくもヒミズの丘夢の国ぶどう摘みおウチに帰ろうはなのはなし花の咲く道たまごの水ホッピーズベア在るところへ 収録されている9割の短編が同人誌に掲載されたものであるので、土星マンションと並列に語るのは少し気の毒か、と思わなくもないですが、正直、印象に残るものはほとんどなかったですね。 […]

  • 2019.12.07

ハッピー・デス・デイ

アメリカ 2017監督 クリストファー・ランドン脚本 スコット・ロブデル 自分の誕生日に、正体不明な殺人者に襲われる女子大生を描いたタイムループもの。 ま、よくあるネタと言ってしまえばそれまで。 作中でも言及されてますが、さしずめ恋はデジャ・ブ(1993)のスリラー版、といったところでしょうか。 タイムループからなんとかして抜け出さないと、一日の終りには殺されてしまう日々が永遠に続いてしまう、とい […]

  • 2019.12.06

エクゾスカル零

2010年初出 山口貴由秋田書店チャンピオンコミックスRED 1~2巻(全8巻) 覚悟のススメ(1994~)の続編。 すでに文明が崩壊し、ほとんどの人類が死に絶えてしまったと思われる未来の地球を舞台に、永い眠りから覚醒した主人公、葉隠覚悟の活躍を描くヒロイックSF巨編。 戦うべき牙を持たぬ人のために存在する正義の執行者は、守るべき人が居ない状態でいかにその正義を完遂するのか、というのが本作のテーマ […]

  • 2019.12.06

シグルイ

2003年初出 山口貴由/南條範夫秋田書店チャンピオンコミックスRED 1~10巻(全15巻) 山口貴由は正直好きな漫画家ではないんです。 昔、リアルタイムで覚悟のススメ(1994~)を読んでいたんですが「荒廃した未来を舞台としたヒーローアクション」という劣化した少年ジャンプのような独創性のなさにうんざりしてたし、右翼的イデオロギーをファッション的に取り入れた作風も嫌悪感があって。 戦前の国威発揚 […]

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