エンター・ザ・ボイド

エンター・ザ・ボイド
フランス 2009
監督、脚本 ギャスパー・ノエ

予期せぬ死に見舞われたドラッグ・ディーラーが、自分の死を受け入れられず、現在と過去を縦断して居住していた東京の街を浮遊するお話。

SFファンタジーといえばそうなんでしょうけど、なんせギャスパー・ノエなんでその手の心優しさとか、温かみとかは欠片もありません。

そもそもが裏社会に生きる外国人(日本にとって)ディーラーの魂?ですから。

もう、ろくなものを見やしない。

血生臭さかったり、エログロだったり、薄汚く欲望まみれだったり。

相変わらず男性器もモザイク無しでバンバン映ります。

なぜなんだ?ノエに限っては映倫フリーパスなのか?そういう密約が出来上がっちゃってるの?

ほんといらないから、そういうの。

銭湯でもまじまじと凝視することないのに、なんで映画見てて強制的に拝ませられなきゃならんのだ。

なにかに目覚めたらどうしてくれるんだ、って話だ。

でもって映像は、前作アレックスで確立したワンカットドローン撮影(私が勝手に呼称してる)で船酔い間違いなし、ときた。

露悪的というと語弊があるような気がしなくもないんですが、進化系アトラクションに乗りながらち○こ見せつけられるって、これ、ある種の拷問なのでは?と思わなくもない。

一切の呵責なしなのは確かですね。

あえて見せないとか念頭になくて、どうやれば全部包み隠さず見せることができるかに心血注いでるというか。

おそらくCGの使い方や編集は、恐ろしく高度なことをやってると思います。

でなきゃ絶対にこんな風にはならない。

問題は、なんのためにそこまでやるのか?の一点にあって、それがさっぱりわからないのがきっとこの人の常人離れした部分なんでしょう。

とりあえず、オール東京ロケなのにも関わらず、東京がまるでどこか異郷の都市のように映っているのには素直に感心させられましたね。

ノエの目にはこんな風に映ってるのか、みたいな。

ストーリー自体はあってなきようなものなんで、どこまで身を委ねられるかが評価の分かれ目になる気がしますね。

あとはエンディングなんですけど、予想外に救いらしきものがあって少し驚かされます。

こういうことを考えたりする人だったんだ、ノエって、と私は意外だった。

エンディングのシークエンスそのものは、なにもかも丸出しでものすごかったりするんですけどね。

これ、ボカシ入れた人は大変だったろうなあ、って。

いったいこの人はどこへ向かってるんだろう、と考え込んでしまう孤高の道を行く一作ですね。

おすすめはしませんが、一度見てみる価値はあると思います。

はまったらもう二度と帰ってこれないかもしれませんが。

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